西成区の5階建てビルに、約3300人が住民登録されていることが、京都府警の別の事件に対する捜査の中で発覚。 敷地面積44m2、延床面積173m2だそうなので、住民台帳上では延床面積にして19人/m2の人口密度だった、 ということになります。(^^;
問題の場所は日雇労働者の支援団体などが入居しているビルで、日雇労働者の便宜上、その場所で住民登録をしている、 ということらしいです。住民登録がないと、記事にある求職者給付金をもらえないなど、いろいろと不都合があるようです。
西成区役所は「あきらかに数が多く、以前からおかしいと思っていたが、 普段の業務にかまけて対策をとっていなかった」とのコメントですが、住民登録の事情がわかっていて、 見て見ぬふりだったのだろう、と思いますね。事件に絡んで発覚したので、とりあえずの言い訳コメント。
ただし、ここで取得した住民票が売買されるなど、犯罪のためのツールを供給する場になっているのあれば、 住民登録の削除はやむを得ないでしょう。日雇労働者の生きる道、という問題と繋がっているので難しいところですが。
同じような不自然な住民登録は、西成に限らず、全国的に調査すれば他にも出てくるのでしょうね。
asahi.com
大阪・あいりん地区のビルに3千人住民登録 架空登録か
2006年12月07日12時56分
日雇い労働者が集まる大阪市西成区のあいりん地区にある5階建てビル(敷地約44平方メートル、 延べ床面積約173平方メートル)に、約3300人が住民登録されていることが7日、分かった。 他人になりすまして転入届を役所に出し、 住民基本台帳カードなどを不正に取得したとして京都府警に逮捕された男の以前の住所を捜査する中で発覚した。
問題のビルには、労働者支援団体「釜ケ崎地域合同労働組合」(稲垣浩委員長)などが入居。 周辺は日雇い労働者向けの簡易宿泊所が立ち並び、南側には大阪府警西成署がある。
同労働組合のメンバーは朝日新聞の取材に、「日雇い労働者が(失業手当にあたる) 求職者給付金を得るには住民登録が必要。25年ほど前から労働者が便宜上、このビルに住民登録している」と説明した。 西成区役所は調査のうえ、架空登録が分かれば、住民基本台帳法に基づき、職権による登録削除を検討する。
京都府警に6日、有印私文書偽造容疑などで逮捕されたのは京都市伏見区の契約社員瀬戸浩二容疑者 (33)。調べでは、瀬戸容疑者は05年12月5日、大阪市西成区の無職男性(38) の住民票を京都市の伏見区役所に提出し、男性になりすまして転入届を偽造。 自分の顔写真が張られた住民基本台帳カードと国民健康保険証を受け取った疑い。
男性の住民票はインターネットのホームページで取引し、60万円で購入したという。瀬戸容疑者は 「結婚していたが、別の女性と暮らしたかった」と供述しており、今年5月、この無職男性の名義で結婚したという。
この男性は、京都府警に「知人に勧められて(問題の土地に)住民票を移した」と説明。 現在はがんで大阪市内の病院に入院中で、病院での手続きの際、住民票の住所が変わっているのを指摘されたという。
西成区役所住民情報課は「あきらかに数が多く、以前からおかしいと思っていたが、 普段の業務にかまけて対策をとっていなかった」と話している。