2012年07月05日

質量の源 ヒッグス粒子発見か

欧州の研究機関が、「ヒッグス粒子と見られる新素粒子を発見した」と発表しています。

ヒッグス粒子は質量の源と考えられ、およそ50年ほど前に素粒子の標準理論で理論的に存在が予言されながら、唯一発見されていなかった粒子だそうです。

実験結果の検証はまだまだ進められ、ヒッグス粒子であると結論が出るのはしばらく先のようですが、その可能性は非常に高いようで、まさに「世紀の大発見」となるようです。

 

物質に質量を与えている、ということは、私の携る構造設計にも非常に関わりが深いわけですね。

質量×重力加速度=重量となり、この「重量」は構造設計で「荷重」としてとり扱い、どのように対処するか頭を悩ませるもとのものです。

現在は「発見」というレベルですが、研究が進み、遠い将来にでも質量のコントロール(増やしたり、減らしたりなど)が可能になれば、構造設計には革命的な変化が訪れることになるでしょうね。

産経ニュース
ヒッグス粒子発見か 新粒子観測を発表 欧州合同原子核研究所

2012.7.4 17:04

物質に重さ(質量)をもたらす素粒子で、約50年前に存在が予言されながら見つかっていない「ヒッグス粒子」を探している欧州合同原子核研究所(CERN)は4日、ヒッグス粒子とみられる新粒子を発見したと発表した。日米欧の2つの実験チームの最新の研究成果を基に統一見解を公表した。さらに検証して年内にも結論が出る見通しで、物理学の歴史に残る大発見が間近に迫った。

ヒッグス粒子は物質の最小単位である素粒子の一つで、すべての物質に重さを与えているとされる。素粒子の基本法則の「標準理論」で示された粒子の中で唯一、見つかっていない「最後の素粒子」で、発見すればノーベル賞の受賞は確実視されている。

CERNは統一見解で、暫定的な結果としながらも「新粒子を観測したことは画期的で、その意味は非常に重要だ」と強調。年内にもヒッグス粒子かどうか確定するとの見通しを示した。

新粒子は陽子の約130倍の質量を持つことを観測で確認した。実験に参加している浅井祥仁東大准教授は「新粒子が別の未知の粒子である可能性も残るが、ヒッグス粒子が最有力だ」と話した。

実験は東大や高エネルギー加速器研究機構などが参加している日欧米の「アトラス」と、欧米中心の「CMS」の2チームが実施。スイス・フランス国境にあるCERNの「大型ハドロン衝突型加速器」(LHC)を使って、ほぼ光速まで加速した陽子同士を正面衝突させた。両チームともほぼ同じ質量の領域に新粒子を見つけた。

昨年12月の発表では「存在が示唆される」との表現にとどまっていたが、今回は今年4〜6月の実験分を含む約2倍のデータに基づき解析した。

 

宇宙を埋め尽くす粘性の海 「動きにくさ」で質量獲得 ヒッグス粒子「発見」

2012.7.5 00:26

巨大な加速器を使った日米欧による実験で、未知の素粒子「ヒッグス粒子」の存在がほぼ確実になった。謎の粒子はどのように生まれ、物質に「重さ」をもたらしたのか。物質や宇宙の成り立ちに迫る研究成果に、世界中の物理学者が注目している。

物質に重さ(質量)があるのは当たり前のように感じるが、実はその理由はよく分かっていない。質量はなぜ生まれたのか−。この根源的な疑問を解決するため、英国の物理学者、ピーター・ヒッグス氏が1964年に存在を予言したのがヒッグス粒子だ。

物質は小さな原子が集まってできている。原子は電子と原子核で構成され、原子核をさらに細かくするとクォークという極微の粒子になる。電子やクォークのように、これ以上、細かく分けられない最小単位を素粒子と呼ぶ。

物質をつくる素粒子には固有の質量がある。しかし、ヒッグス理論によると、質量は最初からあったのではなく、ヒッグス粒子によってもたらされた。

宇宙は約137億年前、ビッグバンと呼ばれる火の玉状態で誕生した。このとき、すべての素粒子は質量がゼロで、真空中を何の抵抗も受けずに光速で自由に動いていた。

その10兆分の1秒後、宇宙が冷えて真空の性質ががらりと変わり、陰に潜んでいたヒッグス粒子が真空を埋め尽くすように現れ、素粒子は粘り気のある「ヒッグス粒子の海」にどっぷりと漬かる状態になった。

プールの中を歩くと、水の抵抗を受けて体が重くなるように、素粒子はヒッグス粒子の抵抗を受けて動きにくくなり、重さ(質量)を持つようになったというシナリオだ。光が光速で移動するのは質量がゼロだからであり、「動きにくい」ということは質量があることを意味する。

ヒッグス粒子を目覚めさせる真空の劇的な変化は、南部陽一郎氏(91)が2008年にノーベル賞を受けた「対称性の自発的破れ」理論がアイデアの基礎になっており、同粒子が見つかれば南部理論の裏付けにもなる。

ヒッグス粒子が仮に存在しなかった場合、素粒子は光速で飛び続けるので静止できない。銀河や地球、人間も存在できず、今日のような多様な宇宙は生まれなかったことになる。ヒッグス粒子は物質や宇宙の成り立ちに極めて重大な意味を持っているのだ。

posted by いさた at 12:51 | Comment(0) | TrackBack(4) | 思い事(すごい) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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