三笠宮寛仁さま、「ひげの殿下」が本日、ご逝去されたとのこと。突然の訃報でした。
障害者福祉やがん撲滅運動などに力を入れておられ、「ひげの殿下」と呼ばれるなど、皇族の中でも、より庶民に近い印象の方でした。
66歳とまだお若いのに残念です。
殿下のご逝去を悼み、謹んでお悔やみを申上げます。
YOMIURI ONLINE
三笠宮家寛仁さま、ご逝去…「ひげの殿下」愛称
三笠宮家の寛仁（ともひと）親王殿下は６日午後３時３５分、多臓器不全のため、東京・千代田区の杏雲堂(きょううんどう)病院で逝去された。
６６歳だった。寛仁さまは天皇陛下のいとこで、昭和天皇の末弟の三笠宮さま（９６）の長男、皇位継承順位は第６位だった。型破りな発言や著書が多く「ひげの殿下」の愛称で親しまれる一方、福祉の「現場監督」を自任し、障害者福祉、がん撲滅運動などに力を尽くされた。がんに伴う手術や治療は１６回におよび、２００８年以降は自力の発声が不可能になられた。お住まいは東京都港区元赤坂の赤坂御用地内。葬儀は東京・文京区の豊島岡(としまがおか)墓地で営まれる。葬儀の日程などは宮内庁での会議を経て決められる。
天皇、皇后両陛下は午後８時５分頃、寛仁親王邸のある赤坂御用地を弔問のため訪問された。
宮内庁の日野西光忠・宮務主管が６日午後６時から記者会見し、逝去を発表。同席した主治医の杏雲堂病院の海老原敏・名誉院長が病状の推移などを説明した。同庁によると、最期は母の三笠宮妃百合子さま（８９）、長女の彬子(あきこ)さま（３０）、次女瑶子(ようこ)さま（２８）、姉の近衛寧子(やすこ)さん（６８）にみとられたという。ご遺体は同日夕、宮邸に移された。天皇陛下は５日間の喪に服される。
寛仁さまは昨年１２月、右の下のあご部分に腫瘍が見つかり、今年１月、同病院で喉と口腔(こうくう)の右側や、首の両側のリンパ節を切除し、腹部の組織を移植する手術が行われた。物をうまくのみ込めない状態が続いたため、３月２日に再手術。６月１日午後、口内や鼻から出血し、輸血を受けられるなどした。肺炎を発症し、肝臓の解毒作用や腎臓の機能も低下、５日午前から尿が出ない状態が続き、意識レベルも低下して重篤な状態に陥られた。
最初にがんが見つかったのは１９９１年１月で、公表された。その後も舌や喉などにがんが見つかり、手術を伴う入院を繰り返された。２００７年６月にはアルコール依存症であることを公表。０８年５月には肺炎を防ぐ手術を受け、自力での発声機能を失い、電気喉頭をのどに当てて会話されていた。
寛仁さまの公的な活動は、障害者福祉やスポーツ振興など多岐にわたり、社会福祉法人友愛十字会、日本職業スキー教師協会などの総裁を務められた。
８２年４月には「皇族の身分を離れたい」と皇籍離脱を宮内庁に申し出て波紋を呼んだ。０５年秋から０６年初めにかけ、当時の小泉首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」が女性・女系天皇の容認を打ち出したことに対しては拙速などと批判、「男系男子継承」の維持を訴えられた。
弟は桂宮さま（６４）と、０２年１１月に逝去された高円宮さまで、姉に近衛さん、妹に千容子(まさこ)さんがいる。学習院大法学部政治学科卒業後、英オックスフォード大に留学。８０年１１月、麻生太賀吉・麻生セメント会長の三女で麻生太郎元首相の妹、信子さま（５７）と結婚された。
寛仁さまの逝去で、皇室の構成は天皇陛下と皇族方計２２人となる。皇位継承順位は、弟の桂宮さまが第６位に繰り上がる。
（2012年6月6日20時28分 読売新聞）
