国立天文台などの太陽の観測結果によると、太陽で通常とは異なるパターンの磁場の反転が起きつつあり、このまま反転が進行すると、17世紀の後半頃に地球に寒冷期をもたらした当時の太陽の状態に近づく可能性があるとのことです。
通常、太陽の北極と南極(S極とN極)は11年周期で入れ替っているそうなのですが、今回は北極と南極がS極で、赤道付近がN極という状態になる可能性があるらしいです。
過去に地球が寒冷化した時期の太陽に近づく、というのは現代の太陽観測の積重ねから、理論的に導かれる(推定される)ということでしょうか。
引用記事では「温暖化が抑制されるかも」という控えめなニュアンスですが、寒冷化して植物が育たない、あるいは生育が悪くなれば食糧問題に直結、人類自体の存亡に関わる問題ですね。
ごく短期間なら備蓄で対応できるでしょうが、また太陽の極が反転するまで耐えるとなると数十年のサイクルになります。何とか技術を駆使して食料生産を維持する必要が出てきますが、そう簡単にゆくかどうか。
今でさえ、食糧のまともな自給が難しい日本では深刻な問題ですし、こういった危機は突然訪れそうです。
地球寒冷化の方向がはっきりしてきたら、今までとは180度方向転換して、温暖化ガスをどんどん排出しろ、ということになるかもしれません。
産経ニュース
太陽、北極で磁場反転か 「温暖化抑制の可能性」
2012.4.20 07:07
磁石のS極とN極がひっくり返るような磁場の反転が、太陽の北極で起きつつあることを国立天文台などのチームが観測し、19日発表した。通常は同時に反転する南極の磁場に、変化の兆しはなく、過去に地球が寒冷化した時期の太陽の状況と似てくる可能性があるという。常田佐久・同天文台教授は「地球の温暖化が抑制される可能性もあり、推移を見守りたい」と話している。
チームは、太陽観測衛星「ひので」で、太陽の北極と南極を観測。平成20年の観測では北極の磁場はマイナスの性質を多く持っていたが、23年には急激に減少、逆にプラスの磁場が現れた。今年5月には、マイナスからプラスへ完全に反転するとみられる。一方、南極の磁場はプラスのままだった。
太陽の磁場は約11年周期で反転し、次の反転は25年ごろと考えられていた。通常は北極と南極がいっぺんに変わるが、北極だけ反転すれば、17世紀半ばから18世紀初頭にかけて、地球に寒冷期をもたらしたような太陽の状況に似てくるという。