この記事のタイトルは、引用したYOMIURI ONLINEにちなんで、履修「逃れ」としてみました。 この問題も、富山県立高岡南高校で世界史の履修逃れが発覚してから、調査すると全国で次々と出てきています。
引用記事によると、全国の98校で同様な履修逃れがあることがわかったそうです。生徒の成績表には、 履修したことにして虚偽の成績を記入するなど、成績の偽造が行われているとのこと。 世界史を学ばないまま卒業した生徒もいるとのことなので、今に始ったことではなく、継続的に行われているようです。
学校側の釈明では、これは、受験に必要な科目に時間を割くための必要悪、ということのようですが、
学習指導要領の内容の是非はともかくとして、学校の姿勢として大学受験に偏っているのは明白ですね。今どきの学校は、
規則とのつじつまあわせに成績の偽造までしてくれます。
現在は理系の世界史履修逃れが問題になっていますが、調べれば他の教科でも出てくるんじゃないでしょうかね。
進学校の現場では、学習指導要領は形骸化しているのかもしれませんね。
今後の展開として、履修逃れの現状が追認され、これからは学習指導要領の是非(実情にそぐわないとか、 授業時間が少ないなかで教えられない)というような方向に話が進んでいくような気がします。
YOMIURI ONLINE
「必修」逃れ18道県98高校に拡大、成績表改ざんも
全国の高校で卒業に必要な必修科目が教えられていない問題で、 新たに33校で履修漏れがあったことが26日分かった。
履修漏れは18道県98校に拡大した。このうち、青森県立三本木高校では、 学習指導要領とつじつまを合わせるため、履修漏れのあった生徒の成績表に、 学んでいない科目の成績を記入するという虚偽の記載をしていたことも明らかになった。
新たに判明した高校は、北海道の7校、青森の2校、岩手の5校、山形の1校、栃木の5校、静岡の7校、 長野の2校、鳥取の1校、山口の1校、福岡の1校、佐賀の1校。私立も9校含まれている。ほとんどが、 地理歴史教科の必修の2科目のうち、1科目しか履修させていなかった。
青森県立三本木高校では、理数科3年生36人について、2年生の時に、 必修2科目のうち1科目しか履修していなかったにもかかわらず、成績表では、履修していない科目にも成績をつけていた。
県教委には、2科目を学ばせると報告。生徒には、成績表のつじつま合わせを、 2年生に進級する際に説明していた。生徒からは不満や疑問は出なかったという。
また、静岡県立下田北高校では、 3年の理数科41人と普通科理系64人の計105人が地理歴史教科で必修科目の世界史を全く履修しないなどの履修漏れがあった。 昨年度から続いており、必修科目を未履修のまま107人が今春卒業している。村野好郎教頭は「塾も少なく、 大学受験のために必要だった」と話している。