大阪府泉南署の警部補が、飲酒運転の取り締りでアルコールの検出数値を捏造したとして逮捕されています。
交通取り締りのベテラン警官で、飲酒運転の摘発では大阪府警全体でもトップクラスだったとのこと。
成績を上げたかったのでしょうか。本人は捏造を否定しているそうですが、逮捕したということは、捏造の証拠があるんでしょうね、おそらく。
捏造だったとしたら、取り締り内容の信頼性が失われますね。捏造された結果で処分を受けた人らには、どのように対応するんでしょう。
飲酒運転は悪いことですが、これで大阪では、飲酒検問で引っかかったら、「捏造ちゃうんかい!」と悪態をつく人が出てくるでしょう、きっと。
YOMIURI ONLINE
警部補逮捕…飲酒運転摘発で数値水増し容疑
飲酒運転の取り締まり時、アルコール検出数値を捏造(ねつぞう)したなどとして、大阪府警は6日、泉南署交通課警部補・山下清人容疑者(57)を証拠隠滅、虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで逮捕し、同署を捜索した。
同署は昨年、飲酒運転79件を摘発しているが、山下容疑者は51件に関わっており、府警はほかにも捏造の疑いがあるとみて調べる。山下容疑者は「一切やっていない」と否認している。
府警監察室の発表では、山下容疑者は昨年9月29日、同府泉南市内で、ミニバイクの60歳代男性に検問した際、呼気1リットルあたり0・15ミリ・グラムのアルコールが検出されたように数値を捏造し、それに基づいて交通切符などを作成した疑い。
(2012年3月6日22時20分 読売新聞)
アルコール検出数値を捏造(ねつぞう)した交通切符を作成したなどとして6日、逮捕された大阪府警の警部補・山下清人容疑者(57)は、飲酒運転の摘発件数で、府警全体でもトップクラスを誇り、「成績優秀」として表彰も受けていた。
ただ、その件数は突出とも言えるほどで、数値改ざんが常態化していた疑いもある。「一体どれだけ不正があるのか」。府警の幹部たちは、顔をゆがめた。
◆急増
府警によると、山下容疑者は36年間の府警勤務のうち、26年余りにわたって飲酒運転や駐車違反の取り締まりなどを担当してきた交通捜査のベテラン。泉南署には2009年に異動。同年と10年の飲酒運転の摘発件数は各16件だったが、11年には「飲酒運転の摘発が得意」と自ら申し出て専従を認められ、その年の摘発は51件に急増した。府警の1署平均(約35件)をしのぐ「飛び抜けて多い」(交通部幹部)数字で、同7月には交通部長賞を受賞した。
01年の危険運転致死傷罪の新設などで飲酒運転撲滅に向けた厳罰化の流れが強まり、運転手のモラルも向上したことで、飲酒運転の摘発件数は全国的に減少傾向。11年の全国の摘発件数は3万5672件で、前年比10・3%減。府警でも昨年は2566件で、前年から20%以上も減少した。
そんな中だからこそ、なおさら際立つ山下容疑者の摘発件数。所属する泉南署全体の摘発件数も、09年は35件で、府内64署中29位だったが、昨年は79件で7位に急上昇していた。
ある幹部は「摘発件数は勤務評価基準の一つ。成績や評価を上げたかったのだろう」とみるが、捜査員の1人は「専従で頑張ったにしても、件数の増え方が急すぎる。周囲は不審に思わなかったのか」といぶかる。
(2012年3月7日13時01分 読売新聞)