性同一性障害で女性から男性に性別を変えた「夫」が、妻との間に設けた子供を嫡出子として認めるよう、不服申立てをするそうです。
子供は、第三者の精子を使った人工授精により生れており、夫とは血縁関係は無し。(まあ、「生物」としてそうなるのは当然のことでしょう)
不服の主張としては、これが「夫」が生来の男性であれば、役所の窓口では血縁関係の区別ができずに嫡出子として受理されているので、「明らかな差別に当る」ということだそうです。「民法では父子関係に必ずしも血縁関係を求めていない」とも。
この不服のため、子供の出生届は役所では受理されておらず、子供には戸籍が無いとのこと。
法律論としての解釈はわかりませんが、社会通念として「血縁関係を求めていない」というのは不自然に思います。
書類や見た目などで簡単に判断できないため、現実に対処できないケースが存在していることを持出して「差別」というのも屁理屈な主張に感じますね。
この主張が通るなら、遺伝的に誰の子供であろうと、法律上は自分の子供にできるということになりそうですが・・・・実子とか養子とか、嫡出かそうでないか、そんな区別は全く無い世界を目指しているのでしょうかね。
親子の概念「だけ」が重要で、血のつながりといった生物として根本的な部分の認識がかなり軽視されている感じがします。
こだわりがあるんでしょうが、さしあたって子供に戸籍が無いという問題を早く解決して欲しいですね、子供のために。
asahi.com
「嫡出子認定を」不服申し立てへ 性同一性障害の夫
心と体の性別が一致しない性同一性障害のため、女性から男性に性別を変えた大阪府在住の夫(29)が27日、第三者の精子を使った人工授精で妻との間にもうけた男児(2)を法律上の夫婦の子である嫡出(ちゃくしゅつ)子(婚内子)と認めないのは差別だとして、3月にも東京家裁に不服を申し立てることを決めた。
夫は2008年3月に性別を変更して翌月結婚。男児が生まれた09年11月、当時住んでいた兵庫県の宍粟(しそう)市役所に嫡出子として出生届を出したが認められなかった。男児には今も戸籍がない。夫妻は「広く問題を考えてほしい」と東京に本籍を移し、27日に改めて新宿区役所に届けを出したが、非嫡出子(婚外子)に訂正するよう求められたため、司法の場で争うことにした。
法務省は今回のようなケースについて、戸籍の記載内容から以前は女性だったことがわかるため「血縁関係がないのは明らか」として、父子関係は認めないとの立場だ。
だが、生来の男性が他人の精子を使う非配偶者間人工授精(AID)で妻との間に子をもうけた場合は、役所の窓口では分からず実際には嫡出子として受理されており、夫妻の代理人の山下敏雅弁護士は「明らかな差別」と主張。「民法は父子関係に必ずしも血縁関係を求めていない」として、嫡出子と認めるよう求める。