タイでクーデターが発生、軍が全権を掌握する事態となりました。15年前にもクーデターがあったということなので、 何か問題があると軍が前面に出てくるのでしょうか。タイは仏教国で、割と安定している国とのイメージを持っているので、 クーデター発生は意外に思いました。
首相の問題など政局が不安定で発生したようですが、大きな混乱に至らなければ良いですね。 タイ在留の日本人の方々の無事を祈っています。
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タイでクーデター、軍が全権掌握 憲法停止、戒厳令布告
2006年09月20日12時23分
タイで19日夜、陸軍がクーデターを起こし、ソンティ陸軍司令官をリーダーとする「民主改革評議会」 がテレビを通じて「権力を掌握した」と発表した。同評議会は20日未明、憲法を停止して全土に戒厳令を布告。 同評議会のメンバーは20日午前、テレビで「国の統一を取り戻すためだ」として国民に支持を訴えた。 国連総会出席のためニューヨークに滞在中のタクシン首相は対抗するためテレビで非常事態を宣言したが、 極めて厳しい立場に追い込まれた。
地図バンコクでは、首相府周辺などに戦車が出動しているが、発砲などの混乱は起きていない。
軍によるクーデターは91年以来15年ぶりで、 ソンティ司令官らはすでに陸海空軍を統帥するプミポン国王にも面会し、情勢を報告したとしている。
同評議会は陸海空3軍の司令官、国軍最高司令官、警察長官の5人で構成され、20日午前9時 (日本時間同11時)に全員がテレビに出演し、政局の混迷による「国の分裂状態をコントロールする必要がある」 と述べた。
また、これに先立つ声明で「現政権は国内に分裂をもたらした」「腐敗に国民の不信が広がっている」 などと首相の政治手法を厳しく批判した。
同評議会は憲法の停止とともに、憲法裁判所や全閣僚、上院議員、下院議員の機能停止も併せて発表。 新たな政府が樹立されるまでは、同評議会のリーダーが首相の役割を果たすとしている。
一方で、「我々が国を統治するつもりはない。できるだけ早く主権を人民に返す」とした。 各省庁の高官らを20日午前9時から陸軍司令部に集めており、 今回の事態や今後の方針について説明しているものとみられる。
タクシン首相は19日夜、テレビを通じて非常事態を宣言し、 ルアンロー国軍最高司令官に事態を掌握するよう指示したが、クーデター派の動きを封じ切れなかった模様だ。首相は、 現地時間の19日夜に予定されていた国連総会での演説もキャンセルした。
また、AFP通信によると、チッチャイ副首相が同評議会によって拘束されたとの情報がある。
バンコクの中心部では19日夜から、軍の戦車や装甲車が政府庁舎の周辺などを封鎖している。 同評議会が20日を「休日」としたことから、役所や銀行、証券取引所なども閉鎖されたままで道路を走る車の数、 人通りともに少ない。街の要所に銃を持った軍人らが配置されているが、通行する車への検問などもなく平穏を保っている。
また、すべてのテレビ局は19日夜から、通常番組の放送を停止し、 断続的に出される同評議会の声明が読み上げられる時以外は、タイ王室の映像と厳粛な音楽を流し続けていたが、 20日午前の同評議会の会見放映後から通常の番組に戻った。 CNNやNHKなど海外からのテレビ放送も一時映らなくなり、 地元メディアのウェブサイトもつながりにくい状態になった。
タイでは、首相一族の株取引をきっかけに政局が混乱し、首相は2月に下院を電撃解散。4月の下院選は、 主要3政党がボイコットする中で行われ、与党・タイ愛国党が過半数の票を得たものの、 大量の白票による定員割れを受け首相はいったん退陣を表明した。
その後、憲法裁判所がやり直しを命じた。今年中にやり直し選挙が行われる見通しだが、 首相は自らの去就について明言を避け続け、政局の不透明さが増していた。