東京都杉並区の小学校で、芝生の養生シートから約9万ベクレル/kgの放射性セシウムが検出されたとのこと。
このシートの処分法として環境省は「シート1kgに対して他の廃棄物1トン(1000kg)を混ぜて焼却すれば放射性物質は十分希釈される」と回答し、焼却処分を認めたそうです。
ベクレルとは、wikipediaによると、『放射能の量を表す単位で、SI組立単位の1つである。単位記号は、[Bq]である。1 s(秒)間に1つの原子核が崩壊して放射線を放つ放射能の量が1 Bqである。例えば、毎秒370 個の原子核が崩壊して放射線を発している場合、370 Bqとなる。』ということで、被曝量で使われるシーベルトとはまた違う単位。
見つかったシートは、1kgあたり、1秒間に9万個のセシウム原子核が崩壊して放射線を放っているということになりますね。
さて、このシートを、焼却処分するにあたっては、廃棄物1000kgを混ぜて、数値計算上は9万÷1000=90ベクレル/kgになって薄まるからOK、ということのようです。
単なる数字の辻褄合わせ、としか思えませんが、こういう考え方で良いのでしょうかね?濃度だけ考えていて、総量規制という観点が無いように思いますが・・・
これでよいのなら、例えば福島の除染作業で出てきた廃棄物で、燃やせるものは日本中(場合によっては他の国にでも)、分散させて他の廃棄物に混ぜて焼却処分すれば済む、ということです。
さらに拡張すれば、燃えないものでも他の廃棄物と混ぜればどこに埋立てて処分してもかまわなそうですね。
放射性廃棄物の保管場所をどうしよう、という問題もかなり解決しそうですが、日本中で薄めて焼却・埋立て処分する、という方針を打出したらどうなんでしょうか。
asahi.com
芝生シート高線量の小学校、セシウム9万ベクレル 杉並
東京都杉並区の区立堀之内小学校(同区堀ノ内3丁目)で、4月上旬まで敷いていた芝生の養生シートを同区が調べたところ、1キログラム当たり9万600ベクレルの放射性セシウムが検出されたことがわかった。
国が廃棄物処理できる目安とする「1キロ当たり8千ベクレル以下」を10倍以上上回っており、福島県郡山市の下水処理施設の汚泥(2万6400ベクレル)以上の数値だ。区は「シートは表面積が大きく、原発事故直後に広く放射性物質が付着したのだろう。放射性セシウムの濃度測定はキログラムで換算するため、シートが軽い分、高い数値が出たのではないか」とみる。
環境省は12日夜になって「シート1キロに対し他の廃棄物1トンを混ぜて焼却すれば放射性物質は十分希釈される」と回答し、焼却処分を事実上認めた。これを受け、区は焼却する方向で検討している。