福島市のある人物から環境省に放射能で汚染された土が送られてきて、この土を環境省職員が自宅近くに投棄した、という問題。
関係した職員の処分やら、大臣が給料を返上するやら、環境省の不祥事、といった報道です。
まあ、確かに適当に土を捨てる、というのは放射能に対する人びとの不安をよく考えずにした行動と言えるでしょう。
しかし、それ以前になぜ環境省にわざわざ放射能を含んだ土を送りつけるのか?
原発事故に対する怒りから?・・・・意図がよくわからないところがありますが、送ることによって運送に関わる人たちも汚染土に接することになるし、放射性物質の拡散を促進していったいどうするんだ、と思います。
国が事故の責任を自覚して平身低頭なのは、それはそれで必要なことだと思います。
ですが、わざわざ放射性物質を拡散させるようなことはしない、とか今後の対処については、責任問題から離れた理性的な観点から、国民に周知していかないといけませんね。
YOMIURI ONLINE
環境省に送られた汚染土、職員が持ち帰り捨てる
細野環境相は17日、放射性物質に汚染された土が環境省に送られ、同省職員がこれを自宅に持ち帰って近くの空き地に捨てていたと、記者会見を開いて明らかにした。
細野環境相は「除去した土壌をむやみに捨ててはならない。除染の先頭に立つべき職員がこのような対応をしたことは許されない」と述べ、職員の処分を検討している。
同省によると、この土は今月8日、ビニール袋に入った状態で段ボール箱に入れられ、宅配便で届いた。差出人は福島市の男性名で、中には福島市の自宅で採取した土で、環境省で保管・処分してほしいという内容の手紙が同封されていた。
同省官房総務課で放射線量を測ったところ、80センチ離れたところで毎時0・18マイクロ・シーベルトあったが、線量は高くないと判断し、同課職員が12日に埼玉県内の自宅に持ち帰り、翌日、近くの空き地に捨てた。職員は17日朝、捨てた場所から土を回収したという。
同省には16日にも同じ筆跡の段ボール箱が届き、開封せずに線量を測ったところ毎時0・10マイクロ・シーベルトを検出。細野環境相に報告して問題が発覚したという。
(2011年11月17日13時36分 読売新聞)
環境省職員が放射性物質に汚染された土を自宅近くの空き地に捨てた問題で、環境省は17日、弥元伸也・大臣官房総務課長を同日付で自動車環境対策課長に異動させた。
事実上の更迭とみられる。職員の処分も検討している。同省によると、福島市内から宅配便で届いた汚染土壌の処分について相談された弥元課長が「送ってくる住民の気持ちはわかる。私の家の庭で処分しようか」と述べたことがきっかけになり、職員が自宅に持ち帰った。
また、捨てられた場所は埼玉県吉川市の常磐自動車道の脇と判明。蓮沼嘉一副市長によると、環境省の職員が17日午後、市役所を訪れ、謝罪した。
(2011年11月18日09時53分 読売新聞)
環境省職員が放射性物質に汚染された土を自宅近くの空き地に捨てた問題で、細野環境相は18日の閣議後の記者会見で、環境相の任期中は大臣給与の全額を自主返納すると表明した。
同省によると、細野環境相は原発相も兼務しているが、給与は両大臣分となり、今後は大臣としての給与は一切受け取らない。衆院議員としての歳費は受け取る方針だという。
また、横光克彦副大臣と高山智司政務官は給与の2割を2か月、南川秀樹次官と谷津龍太郎官房長は給与の1割を1か月、それぞれ国庫に自主返納する。
このほか、細野環境相は18日付で、この問題に関係した大臣官房総務課の弥元伸也・前課長を国家公務員法に基づく戒告の懲戒処分にすると発表。土を投棄した同課の前課長補佐は訓告、南川次官と谷津官房長は厳重注意とした。
細野環境相は「除染すべき土の処理について国がしっかりと責任を果たしていない。反省が大事だ」と述べた。
(2011年11月18日11時32分 読売新聞)