フランスの大学の研究チームが、101歳の人物から採取した細胞から、様々な種類の細胞へと変化できるiPS細胞を作り出すことに初めて成功したという記事がありました。
細胞は50回ほど分裂して寿命を迎えるそうです。分裂するたびに染色体の端にある「テロメア」が短くなり、これが細胞の寿命に関係しているとのこと。
研究結果では、作り出されたiPS細胞のテロメアは、若返って元の長さに戻っていたそうです。
ということは、このiPS細胞の特性を利用して、全身の組織の細胞を若返らせる技術が開発されれば、やがては「不老不死」につながる可能性がある、ということでしょうか。そういう意味では、この研究結果は不老不死へのヒントと言えるかも知れません。
このイメージだと、細胞の寿命が短くなったら若い細胞に置換える、ということで不老というよりはクローン再生、という方が近そうです。
脳細胞も若い細胞に置換えられるなら、それまでの記憶や精神はどうなるのか?
YOMIURI ONLINE
101歳からiPS作ったら、若返り効果も抜群
101歳から採取した、活発に細胞分裂をしない細胞から様々な種類の細胞に変化できるiPS細胞(新型万能細胞)を作製することに、仏モンペリエ大学のチームが初めて成功した。
高齢者の再生医療、細胞の若返りにつながる成果で、研究チームは、米生物学誌に発表した。
細胞は約50回ほど分裂して寿命を迎える。染色体の端にあり、細胞の寿命に関わる「テロメア」が分裂のたびに短くなるためだ。高齢者の細胞はテロメアが短い割合が高く、テロメアが短い細胞ほどiPS細胞が作製しにくいことが知られている。
研究チームは、京都大の山中伸弥教授がiPS細胞開発に使った4種類の遺伝子(山中因子)に、「Nanog」と「LIN28」という2種類の遺伝子を加えると、高齢者のiPS細胞の作製効率が3倍に向上することを確認。
この6遺伝子を、92〜101歳の4人の皮膚細胞に導入したところ、いずれもiPS細胞になり、軟骨や筋肉、神経などの細胞に変化できた。これら細胞のテロメアも若返ったように元の長さに戻っていた。
(2011年11月5日19時32分 読売新聞)