東京都世田谷区の住宅街にある区道で高い放射線量が検出され、福島第一原発事故の影響なのか、しかしなぜそんなところにホットスポットが・・・?という事件がありました。
結局、原因は隣接する民家の床下になぜか放射性物質ラジウムが入った古い瓶があり、そこからの放射能の影響によるものだったことがわかりました。
ラジウムは夜光塗料に使われており、見つかった古い瓶には現在は存在しない夜光塗料製造会社の名前が書いてあったそうです。民家の所有者とは関連が無く、どうしてそんなものが床下にあったのかは謎。
昔は放射性物質の取扱いが今に比べるとルーズだった可能性が高いでしょうから、今まで見つからなかった放射性廃棄物だったのかも知れませんね。
いつからその民家の床下にあったのかわかりませんが、福島原発事故がなく、放射線量の測定をすることが無かったら、まだまだ見つかること無くひっそりと埋れていたかも知れません。
こんなケースも、放射線量を調べるうちに世田谷に限らず、全国のどこかからまたでてくるかもしれませんね。
なお、ラジウムがあった民家には、現在居住者はいないそうです。民家の中やその周辺は、いったいどれぐらいの期間、ラジウムの放射線にさらされていたのでしょうか。
もし、長期間にわたるものであれば、それなりに被爆していたと思いますが、健康被害が特に見られないのであれば、年間被曝線量1ミリシーベルトという規制値は、相当に安全側の設定である感じですね。
YOMIURI ONLINE
東京都世田谷区の住宅街の区道で高い放射線量が検出された問題で、文部科学省は13日、区道に隣接する民家の床下にあった瓶の中の放射性物質が原因だったと発表した。
がん治療などに使われるラジウム226と推定され、鉛容器などに封入して安全対策を取った。
同省では「セシウムは検出されておらず、原発事故の影響ではない」としている。同省や警視庁世田谷署は適切な届け出がされていなかった可能性があるとみており、保管状況の調査を急いでいる。
同省や区によると、民家の床下から見つかったのは、木箱の中に入った数十本の試験管のような瓶など。茶色に変色しており、中に白い粉状の物質が見えたという。瓶の上で放射線量を調べると、胃のX線検診の1回分に相当する毎時600マイクロ・シーベルトだったという。
同省職員が鉛容器に入れて金属管で封入し、民家の敷地境界から離れた場所に置いた。
放射線量はこの日午前、敷地内の木の根元付近では同約8・40マイクロ・シーベルト、建物の壁面で同約18・6マイクロ・シーベルトが検出されたが、応急措置により、敷地と道路の境界付近の放射線量は同0・1〜0・35マイクロ・シーベルトにまで下がったという。
同省の簡易検査の結果、ラジウム226とみられることが判明。一般的に時計の文字盤などに塗る蛍光塗料や医療器具などに使われるという。
半減期は1620年。同省では「民家付近を歩いて通過する程度では、年間の被曝(ひばく)線量は1ミリ・シーベルト以下にとどまり、健康への影響を心配する状況にはない」とした。
(2011年10月14日03時05分 読売新聞)
東京都世田谷区の民家の床下からラジウム226とみられる放射性物質が見つかった問題で14日、物質が入った瓶などの撤去作業が完了した。
民家の所有者側が、文部科学省の仲介で専門廃棄業者に処理を委託。瓶などは業者の管理する貯蔵施設に運ばれた。
文科省がその後、この民家の周辺で放射線量を再測定したところ、毎時0・05〜0・09マイクロ・シーベルトで、区内の他の地域とほぼ同じ値となったことを確認した。
世田谷区も同日夜、放射線量を再測定し、安全を確認。歩道上の立ち入り禁止の措置を解除した。
文科省によると、ラジウム226とみられる放射性物質が入っていた瓶の一部には、夜光塗料を扱っていたとされる企業名が書いてあったが、現段階では、民家の所有者側とこの企業とのつながりはないという。
(2011年10月15日01時36分 読売新聞)