大阪府の橋梁工事で福島県の施工業者が受注した物件があるそうですが、周辺住民が、その業者が造った橋桁に対して放射能汚染の不安があるとして、他の業者への発注を要請しているとのことです。
食品などで、同様に放射能汚染の不安があるとして反対意見が出ているケースがありますが、これは橋桁なのですね。
東日本大震災以前に製作がはじまっており、福島県内で保管されていたようです。どれぐらいの量かはわかりませんが、放射性物質が付着している可能性はあるでしょう。
工事は中断されており、大阪府としては放射線量を測定して、安全性が確認できれば工事再開するつもりのようです。
放射性物質と構造物としての橋桁の性能は関係がないので、性能に問題がなければその桁を使用するのが当り前の話ですが、地元の意見は取入れないわけにもいかないのでしょう。
桁の再製作ともなると相当なコスト増になります。放射性物質への対策としても、除染を考える、という方がまだしも現実的でしょうね。
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福島の業者受注の橋桁工事、住民の要請受け中断 大阪
大阪府が発注した同府河内長野市での架橋工事をめぐり、福島県内の建設会社が造った橋桁の搬入に対し、周辺住民が「放射能汚染が不安だ」と反対し、別の業者への発注を要請していることがわかった。府は8月以降、工事を中断し橋桁の放射線量を測定。今後、専門家の意見を踏まえ安全性が確認できれば、工事を再開させたい考えだ。
府富田林土木事務所によると、河内長野市街地と和歌山県境を結ぶ国道371号バイパス(全長約6キロ)工事の一部。橋桁は長さ55メートル、幅8メートルの鋼製で、福島県郡山市の建設会社が2009年5月、製造と設置工事を約1億2500万円で受注した。
業者は郡山市内の工場で橋桁を製造し、今年2月に完成。9月中に橋桁を搬入し、来年2月に橋を完成させる予定だった。だが、3月に東日本大震災が起き、橋桁は損傷しなかったものの、工場敷地内に保管されたままだという。橋の両岸の基部と橋脚は7月に完成した。