太陽系の惑星の数は、冥王星を外して、1つ減って8個になる可能性が高くなったようです。一時期は、 3つ増えて12個になる、と言われていましたが、異論が続出したようです。現在も会議での採択へ向け、 最終調整をしているということなので、もしかすると今回の会議では決らない可能性もありそうです。
二転三転している惑星の定義ですが、いずれにしても決議されれば歴史的な出来事ですね。占星術など、 惑星名を使用している占いがどうなるのか興味があるところです。
占いについては、天文学の定義と同じである必要はないので、冥王星を惑星として扱っても問題は無いように思います。 学校のテストの正答は、どうなるのでしょうね。
毎日インタラクティブ
太陽系惑星:冥王星除外…
9→8に 天文学連合定義案修正
【プラハ会川晴之】チェコのプラハで総会を開いている国際天文学連合(IAU)は22日、 惑星の定義案を大幅に修正、冥王星を惑星から外す最終案をまとめた。この結果、太陽系の惑星数は、 現在の九つから八つに減ることになった。同日昼の公開討論会で、原案を微修正して3分割した案を提示したが、 反対論が相次いだため抜本的な修正に踏み切った。23日も細かい表現などの最終調整を続け、 24日午後の全体会議で採択を目指す。
最終案は、太陽系惑星の定義を「太陽の周りを回り、自らの重力で球状となる天体」 とする当初案を継承したうえで「軌道周辺地域で圧倒的に大きい天体」という新たな項目を付け加えた。
冥王星は、より大きい海王星と軌道が一部重なるうえ、03年に発見された「2003UB313」 など同等規模の天体が周辺にあるため新たに加わった項目を満たさず、惑星から外れることになった。 当初の定義案では惑星に昇格する予定だった小惑星セレスとUB313も、同様の理由で惑星とはみなされない。
冥王星やその周辺の天体は惑星とは異なる「矮惑星(わいわくせい)」と位置づける。ただし、 「冥王星系天体」などの名称を与える案を作り、惑星の定義案とともに2案を総会に提案する。22日に示した修正案では、 冥王星と冥王星の衛星「カロン」を二重惑星とする案も示したが、冥王星が惑星でなくなることから廃案とした。
同日の公開討論では、「軌道面からの考察が足りない」などの科学的な反論に加え、「政治的すぎる」 「提案が唐突で手続きが民主的ではない」といった意見も相次ぎ、提示した3案とも否決が確実となった。 3年後の次回総会への先送りも検討したが、「今回の会議で決定しなければIAUの権威が失墜する」(会議筋) と判断した。
◇惑星8個が素直
▽日本惑星科学会会長の向井正・神戸大教授(惑星科学)の話 惑星は八つとするのが素直だ。 1992年以降、海王星の外側の領域に小天体が1000以上も見つかった。冥王星はこのグループに入るから、 惑星とは区別した方がいい。軌道が他の惑星とは違う冥王星は、発見当時から本当に惑星なのかという議論があった。 惑星として社会的に受け入れられているため最初の定義案が出てきたが、議論の過程で異論が出たのだろう。
【ことば】冥王星 1930年に発見された。当初は地球とほぼ同規模の惑星と考えられていたが、 観測技術の発達により、質量は地球の1%未満と月より小さいことが判明。70年代以後「冥王星は惑星なのか」 という議論が高まった。05年には、周辺で冥王星より大きい「2003UB313」の発見が公表され、 この議論が加速していた。
毎日新聞 2006年8月23日 15時00分