私自身は株券を持っていないので、今まで知らなかったのですが、2009年1月に上場会社の株券が電子化され、
いわゆるタンス株券が売買できなくなったり、場合によっては所有権が失くなり紙くず同然になる可能性があるそうです。
いわゆるタンス株券は、単純計算で上場している全株式の5%、資産にして約28兆円あるそうです。
紙くずにしないためには手続が必要だそうですが、電子化までの残り期間は約2年半、周知徹底しないと、 電子化後のトラブルが後を絶たない状態になりそう。
TVのアナログ放送停止よりは影響範囲が狭いでしょうが、直接金銭が関係するだけに、トラブルになった場合、 問題は深刻になりそうですね。
毎日インタラクティブ
タンス株券:紙くず化も 09年1月電子化実施
09年1月に実施される上場会社の株券電子化(ペーパーレス化)で、 これまで発行されてきた上場企業の紙の株券はすべて廃止されるが、株券を集中的に保管・ 管理する証券保管振替機構の調査で、個人が自宅などで所有し、放置しておくと紙くず同然になる「タンス株」 が今年3月末時点で180億株あることが分かった。この株券は、 証券会社などに持ち込んで電子化の手続きをしないと売買できなくなり、 遺産相続後に名義変更していない株券などは所有権を失う可能性もある。証券業界は「早めの手続きを」と呼びかけている。
株券電子化は04年に成立した株式等決済合理化法で導入が決まった。株券の盗難や紛失の防止、 売買の決済日の短縮が目的だ。また、投資家が証券会社に預けた株は、 原則として保管振替機構が集中保管することになっており、株券の電子データ化も同機構が作業している。09年1月以降、 同機構が管理していない株券は売買できなくなる。
東証など国内株式市場に上場する企業の株式は3643億株発行されているが、 同機構が管理していない株券は現在、約700億株にのぼる。機構が信託銀行などにアンケートした結果、 そのうち7割強は企業が保有していることが分かった。企業の保有株は今後の周知活動で電子化に移行するとみられる。
問題は残る2割強のタンス株だ。タンス株の株主が電子化でただちに抹消されることはないが、 株主名簿に記載された名前で信託銀行に暫定的に作られた口座で管理される。このため、 遺産相続や第三者から株券を譲り受けた後、名義変更せず、他人名義のまま株券を持っている場合は、 所有権が失われる可能性もある。これを防ぐには、信託銀行などで名義変更する必要がある。
タンス株は上場している全株式の約5%にあたる。全上場株の時価総額は約560兆円で、 単純計算するとタンス株の資産価値は約28兆円になる。機構は「売買する予定のない株券でも名義変更は必要。 自宅にある株券をチェックし、早めに対応してほしい」と話している。 日本証券業協会などが設置した証券決済制度改革推進センター(03・3667・4500) が電子化に関する問い合わせに応じている。【森山知実】
毎日新聞 2006年8月17日 15時00分