昨年人間ドックで検診を受けた人308万人のうち、検査値に異常が無い「健常者」の割合は8.4%で、 過去最低だったそうです。統計を取り始めた1984年は29.8%で、「健常者」の割合は年々少なくなっているそうです。
1984年から2010年まで約25年間。その間の人間ドック受診者の母数や検査項目、 あるいは検査結果の正常値の判定基準など、一定ではないでしょうから、 健常者の割合の変化をそのまま受け取ることも出来ないと思います。
しかし、健常者が約1割程度、ということは残る9割は何らかの部分で異常値がある、ということですから、 むしろ異常値がある方が大多数派なのですね。
異常値といっても、治療の必要が無いような軽いものから、 精密検査を要するような重度なものまで様々にあると思われますが、そちらの区分による割合ははっきりとはわかりません。
ただ、軽い分類に入る人の割合はかなり多いのではないかと思いますので、 これと健常者をあわせれば結構な割合になって多数派になりそうな感じがします。
「健常者」でいることが難しい世の中になっているみたいですから、健康志向、 ということが注目を浴びるのも納得するところです。
ただ、人間ドックの検査に全くかからない健常者を目指す、いわば完全無欠的な健康志向も、 それはそれで必要かと思いますが、多少不健康なところがあってもそれと付き合って生きていく、という方が、 強迫的な部分が少なくて、現実的な感じですね。
asahi.com
人間ドック、「検査値異常なし」は過去最低8.4%
2010年に人間ドックを受けた308万人のうち、検査値に異常がない「健常者」は過去最低の8.4%にとどまると、 日本人間ドック学会が19日に発表した。同学会が全国集計を始めた1984年は29.8%で、健常者の割合は年々減っている。
男女別では男性7.3%、女性10.2%だった。年代別では、39歳以下が17.7%、40歳代が9.9%、 50歳代が5.6%、60歳以上が3.7%と、年齢が上がるにつれ健常者の割合が減っていた。
地域別では、最低が九州・沖縄地方の5.7%、最高が中国・四国地方の13.3%だった。その他は北海道が7.6%、 東北が9%、関東・甲信越が8.1%、東海・北陸が8.3%、近畿が7.8%。
(関連リンク)
日本人間ドック学会
確かに、人間ドックに行くと、強引なくらいに病名を付けられてしまうので、最近では、何かの陰謀では?とも思っていましたが、こちらの記事を見て、妙に納得しました。ありがとうございます。
拙記事が役に立って良かったです。
現在では「健康」ということは難しいことのようですね。医療技術の発展と共に年々難しくなってきている、ということがあるかもしれません。