津波警報や注意報が発表されている間、TV画面に発表区域を色分けした地図が表示されますが、この色合いを統一することが決まったそうです。
これまでは各局で異なった色を使っており、色の組合せによっては色覚障害者が見分けられないといった指摘があったことから配色が検討され、それならばいっそ統一、となったようです。
統一に関しては、配色の相談を受けた東大の准教授の呼びかけによるようですが、これは名案でしたね。
まず、色覚障害への対応として、バリアフリー的な観点から出発していますが、解決策は複数考えられるはずです。これが統一されて、どのチャンネルでも同じ配色で表示されていれば、色覚障害者だけでなく、一般市民にとっても見やすくなります。チャンネルを変えても、同じ配色ならすぐに見分けがつきますね。
防災に関する情報表示ですから、わかりやすいのはとても重要です。バリアフリーから一歩踏み込んで、ユニバーサルデザイン、というと言い過ぎかもしれませんが、より普遍的になったと思います。
この共通表示は、在京の放送局は7月までに既に導入済みで、系列局でも導入が進められているそうです。津波警報の表示はそうそう見ない方が良いですが、もし発令されたときには、新しい表示方法がこれまで以上に役立てば良いですね。
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津波警報、テレビ各局が色を統一 色覚障害などに配慮
津波警報や注意報を地図でテレビ画面に表示する際、局によって異なっていた色合いを統一することが決まった。色覚障害者に見分けがつきにくい色の組み合わせも使われ、改善が必要と指摘されていた。複数の局から相談を受けた色覚研究者の仲立ちで各局の協力が実現した。
統一のきっかけになったのは昨年2月のチリ地震。1993年の北海道南西沖地震以来、17年ぶりに「大津波警報」が出された。「大津波警報」「津波警報」「注意報」が、赤、黄色、オレンジ、桃、白など局によってまちまちの配色で表示された。全国で長時間、津波速報の画面が放映され、色覚障害者からは「大津波と津波を見分けられない」などの指摘があった。
国内には色覚に障害がある人が約320万人、水晶体が濁って色が見分けにくくなる白内障患者が約150万人と推定され、テレビ局も改善を検討していた。
日本テレビとNHKが、色のバリアフリー研究に取り組む東大の伊藤啓准教授(分子神経生物学)に相談。伊藤准教授が「どうせなら各局で統一しませんか」と呼びかけた。試作画面を色覚障害のある人に見てもらうなど約1年にわたって検討を重ねた。
最終的に「大津波警報は紫、津波警報は赤、津波注意報は黄色、背景の地図は灰色、海は濃い青を使う」という統一基準をつくった。3月11日に発生した東日本大震災には間に合わなかったが、5〜7月にかけて、主な在京放送局が新しい配色に移行した。系列局も順次導入を進めているという。