特別養護老人ホームに入所している認知症の90歳女性に、ヘルパーの男性が性的暴言を吐いた事件。まあ、 セクハラということでしょうが、90歳女性に対して、言うところが何ともおぞましい。
介護施設での虐待は表面化しずらい(介護される側が我慢しているのか、 もしくは認知症などで訴えることが出来ないのか)ということで、これはたまたま証拠を握ることが出来た氷山の一角、 ということのようです。
ヘルパーの弁明では、性的「暴言」だけで「虐待」はしていない、ということですが、被害者は認知症で言葉も不自由、 ということなので、一方的な弁明でしか無いですね。
問題のヘルパーは真実を語っているのか?被害者が訴えることが出来なければ、言逃れはいくらでもできる。
2006/08/10 追記 関連記事
性的暴言の特養ホーム 関係者の処分を見直し
asahi.com
特養入居者に性的暴言 東京・東大和
2006年08月06日03時03分
東京都東大和市の特別養護老人ホーム「さくら苑(えん)」(入居定員80人)で、 男性職員が認知症の女性入居者に性的な虐待発言をしていたことが、女性の家族による録音テープで明らかになった。 施設側は家族に謝罪するとともに職員らを処分。東京都は、 虐待が繰り返されていた可能性もあるとして近く立ち入り調査する。 介護施設での高齢者への虐待は表面化しづらいため実態がわかっておらず、具体的な証拠で裏付けられるのは珍しい。
被害にあった女性(90)は要介護5の寝たきりで、言葉も不自由。長女(58)によると、 オムツに排泄(はいせつ)物がたまっていたり、手にアザが残っていたりすることが重なり、介護内容に不審を抱いた。 数年前から施設側に訴えてきたが「思い過ごし」と相手にされなかった。認知症が進み本人に確かめることもできないため、 小型のテープレコーダーをベッド近くに隠したという。
問題の発言があったのは今年1月下旬の夜、オムツ交換の時間帯。 30歳と21歳の男性職員2人の会話だった。先輩職員が女性の名前を呼んで性的な行為を求めた。「あっ、起きた」 の声の後、この職員が「この前、やってくれたんだよ」「絶対、見たら訴えられるみたいな。へへへ」 と過去に性的虐待をしたとも受け取れる発言をし、後輩は「いやー、やばいすよ。盗聴されてたら終わりですよ」 などと答えた。笑いも交えながらのやりとりだった。
この直前には、オムツ交換中のにおいを「毒」「サリン」などと話す2人の会話も録音されていた。 女性の声はテープでは聞き取れなかった。
長女の相談を受けたNPO法人「特養ホームを良くする市民の会」(東京都新宿区)が7月、 都に通報した。都と東大和市、女性の住所がある世田谷区の3自治体は、4月に施行された高齢者虐待防止法の「性的虐待」 にあたると判断し今月4日、 施設を運営する社会福祉法人多摩大和園の足利正哲常務理事らに女性の安全確保と事実確認を指示。 都は近く緊急の立ち入り調査をし、ほかに虐待行為がなかったかなどを確認する方針だ。
同苑によると、30歳の職員は勤続4年目でヘルパー2級の資格をもつ。施設の事情聴取に対し 「男同士の介助で気がゆるんでしまった」と発言を認めたため、玉川桜子苑長らは4日、家族に謝罪した。 ただ実際に性的行為はしていないと話しているという。
同法人は5日、緊急理事会を開き、この職員を出勤停止7日間、後輩職員を同5日間、足利、 玉川両氏を減給10%(1カ月)などとする処分を決定。第三者を含む「調査委員会」を立ち上げるほか、 職員全員を対象にした虐待防止研修など、再発防止策に取り組むことを決めた。
足利氏は理事会後「利用者の人権を重視していたのに非常に残念。こういう事実は想像もできなかった」 と話した。これに対し長女は「自分の親があんな仕打ちを受けたらどう感じるか、職員は自分の身に置きかえてほしい。 処分は軽すぎて再発防止にはならない」と施設側の対応を批判した。