昨年の事業仕分けで無駄遣いと批判されて廃止判定された「スーパー堤防」が、 有識者検討会で一部継続するように提言され、事業規模を1〜2割程度に縮小して復活する見通しであるようです。
スーパー堤防は、普通の堤防よりもはるかに幅が広く洪水などで破壊されにくい堤防で、 広い法面を街の一部として利用することも考えられています。
必要な用地が大幅に広くなり、特に都市部では用地費がかさむことが「無駄遣い」の一因でもあります。 その一方で高台が周辺に無く、避難が困難な場所については人命保護の観点から必要である、 との判断より事業復活となったようです。
この判断は、東日本大震災発生により防災に対する意識が変わった、という影響があると思われます。
スーパー堤防は一部整備済みで、ある程度の実績がありますが、これから整備をするものは、やはり堤防自体の耐震性能、 あるいは洪水だけでなく津波に対する対応、といった点の再評価を行い、性能不足であれば対策を施す必要があると思います。
YOMIURI ONLINE
仕分け廃止判定のスーパー堤防、一部継続提言
昨年の政府の事業仕分けで「スーパー無駄遣い」と批判され廃止と判定された「スーパー堤防事業」について、 国土交通省が設置した有識者検討会は11日、海抜ゼロメートル地帯や、 高台が周囲になく避難が困難な場所では人命保護の観点から必要だと指摘、同事業の一部を継続するよう同省に提言した。
同省は今後、建設場所の選定などに取りかかるが、事業規模は現行計画の1〜2割程度に縮小される見通し。
のり面が広く洪水で破壊されにくいスーパー堤防は、利根川、淀川など全国6河川で計約873キロ・メートルが計画され、 1987年に事業が始まった。これまで約7000億円が投じられたが、整備済みは東京、 大阪の一部など約50キロ分にとどまっている。
(2011年8月11日22時06分 読売新聞)