先日、大阪は御堂筋にある彫刻19体に、何者かにより一斉に赤いドレスが着せられる、という事件があり、ちょっと話題になっています。彫刻は大阪市が管理しているらしく、彫刻が破損したわけではないので、結局警察に被害届を出す、というところまでは至らなかったようです。
橋下府知事は「世界の一流デザイナーが服を着せていく『御堂筋コレクション』になれば面白い」と冗談(?)ぽく言ったとか・・・市長は市長で、実行者は名乗り出て、大阪市が若手芸術家を育てるイベントに協力して欲しい、とも言っているそうです。
周到に準備したアートがかったイタズラ、都会のミステリー、という感じで、まあ目くじらを立てるほどのことも無い出来事だと思います。確かに芸術性を感じますが、反面で教科書の肖像画に落書きをするような匂いも感じますね。
彫刻の管理者はあまりうるさいことを言っていませんが、彫刻の作者の方はどう判断されているのでしょうね。作者の方々も肯定的であれば、「赤いドレス」的なものがアートとして成立する可能性もありますね。
産経ニュース
いたずら転じて「御堂筋コレクション」? 大阪・赤いミステリーの顛末
2011.7.28 13:10
大阪市のメーンストリート「御堂筋」で彫刻19体に赤い服のような布が一斉に取り付けられた珍事。人通りの多い街中で誰にも気付かれず、どうやって短時間に次々と彫刻に見合った服を着せたのか−。真夏のミステリーに市担当者の間でも、車を使用した“単独犯”説や、芸術家グループによる“複数犯”説など、さまざまな臆測が飛び交っている。一方、その芸術性に注目した平松邦夫市長が、9月に御堂筋で開催するデザインイベントへの参加を“犯人”に呼び掛けるなど新たな展開も見せている。
“犯行”は25日午前9時ごろ、沿道企業などでつくる「御堂筋まちづくりネットワーク」事務局の職員が発見し市に通報。市では「日中なら誰か気付くはず」として、“犯行”時間帯を24日夜〜25日未明とみている。
19体に付けられたのは、1〜2枚の赤い布を組み合わせたり、既製品にスプレーで赤く塗ったりして、各彫刻のサイズに合わせて採寸。少女の像にはワンピース、婦人の像にはドレスなど彫刻ごとにデザインも変えており、胴体部分を赤いひもで縛るなど細やかな工夫もみられた。
彫刻群は淀屋橋から心斎橋にかけての御堂筋の両側に設置されているが、市担当者は、“犯行”が本町の中央大通より北側だけだったことに注目する。
北側では彫刻が車道に近い歩道に設置されている一方、南側では車道から離れた民間企業敷地内など奥まった場所にあるためだ。この担当者は「車を使って移動すれば、車道に近い彫刻に次々と服を着せていくことは可能」と推測する。
一方、別の担当者は「布を全て取り除くだけでも、職員ら3人が手分けして約1時間かかった。とても1人では無理」と“複数犯”説を唱える。
さまざまな臆測が飛び交う中、市の担当部署は当初、大阪府警東署に被害届の提出も相談。彫刻に破損はなく、最終的には提出を見送ったが、「悪質ないたずらはやめてほしい」と警告していた。
ところが、平松市長は26日の定例会見で、「怒られるかもしれないが、正直見てみたかった」と、その芸術性に注目。「19体にそれぞれメッセージがあるようで、ミステリーを感じる」とも発言した。
さらに「とがめるつもりはなく、むしろ申し出てほしい」と促し、市が若手の芸術家を育てるために今年9月に初めて開催するデザインイベントへの協力まで呼びかけた。
この珍事をめぐっては橋下徹大阪府知事も27日の記者会見で、「世界の一流デザイナーが服を着せていく『御堂筋コレクション』になれば面白い」と冗談めかしてコメント。一定のルールがあるべきだと前置きした上で「服を着せるだけなら器物損壊にならないし、みんながアートと評価していればよいのでは」と話すなど、反響も広がっている。
平松市長の呼びかけに応えて“犯人”は名乗り出るのか−。今後の成り行きにも注目が集まるなか、市担当者は「仮に本人が現れた場合、怒っていいのか、褒めていいのか…」と複雑な表情もみせている。
不思議な事件ですね。
確かに、器物の損壊度からすれば、そんなに大事でもないですが、模倣犯が相次ぎそうです。
赤いドレスを着せた実行者たちの手際はかなり良かったようです。
他の地域でも、彫刻に服を着せようとする模倣犯が出てくるかも知れませんが、手際に関してはどうでしょうかね。
何かの暗号だったりして(笑)