中国の高速鉄道が衝突事故を起こし、かなりの死傷者が出ている模様です。まずは、 被害に遭われた方に哀悼の意を表します。
事故は、どうも、落雷のため信号のシステムが故障し、線路上に止まっていた列車に後続列車が衝突した模様。 衝突された列車のうち2両は橋から下の川に落ちている状況で、その写真は衝撃的なものです。
日本をはじめ、他の諸国の高速鉄道技術をいろいろと取り込んだ末に「国産技術」と称していたらしい、 中国の高速鉄道ですが、こんな事故を起こすようでは、安全面に相当な不安が感じさせますね。
事故原因は現時点ではわかっていませんが、後続車の衝突ということになると、 運行管理面で問題があったように思われます。設備に限った問題ではなく、人による運用にも問題があるのでは。
中国は、国内の高速鉄道網の構築、また高速鉄道技術の他国への輸出に熱心なようですが、 安全対策が不十分なままで押し進めていくのは将来に不安の種を植え付けていくようなものではないでしょうか。
国のメンツがあるでしょうが、ここは性急な鉄道整備よりも、技術を熟成させる方が優先でしょう。
YOMIURI ONLINE
中国高速鉄道が停止中の列車に追突、11人死亡
【北京=関泰晴】新華社電などによると、中国東部・浙江省温州で23日午後8時半(日本時間同9時半)頃、 北京発福建省福州行きの高速鉄道列車が、止まっていた浙江省杭州発福州行きの別の高速鉄道列車に追突、 杭州発の列車の2両が橋から川へ落ちた。
新華社は、この事故で11人が死亡、89人が病院に運ばれたと伝えた。 上海の日本総領事館は日本人が事故に巻き込まれていないかどうか調べている。突貫工事が続いた中国の高速鉄道は、 安全性をめぐって不安の声が出ていた。
中国中央テレビによると、事故当時に付近で落雷があり、 信号システムが故障した杭州発の列車が線路上で止まっていたという。追突された列車は満員で、 1300〜1400人の乗客がいたとの情報もある。落下した車両に乗客が閉じ込められている模様。 現場で消防当局の救急隊員が乗客の救出にあたっている。
(2011年7月24日01時46分 読売新聞)
【中国総局】新華社通信は24日午前、中国東部・浙江省温州で23日に起きた高速鉄道列車事故による死者が35人、 負傷者は210人になったと伝えた。
(2011年7月24日11時25分 読売新聞)
【北京=幸内康】中国浙江省で23日起きた高速鉄道路線での事故は、 かねてささやかれていた安全面での不安を現実のものにした。
事故原因はまだ不明だが、急ピッチで進めている整備計画や海外進出にも影響が出る可能性がある。
中国の高速鉄道網は、2007年に初めて運行されて以来、10年末で営業距離が8000キロ・ メートル超に急激に延びてきた。20年には1万6000キロ・メートル以上に延びる予定だ。
国内だけでなく、中国鉄道省は海外での高速鉄道建設にも積極的で、 すでにトルコで路線建設工事に国有企業が参画している。さらに、川崎重工業から技術供与を受けた国有の車両製造大手「中国南車」 が、日本や米国などで車両の台車や先端部分など計21件の特許手続きを進めている。
(2011年7月24日11時01分 読売新聞)