東北は岩手県で、母娘が殺害される事件が発生。隣県秋田で発生した畠山鈴香の事件と同様、 動機が不明で不可解な事件だが、どうも窃盗目的で入って居直った、という線が有力らしいです。 解明には捜査の進展を待たなければならないのですが、なぜこうも人を簡単に殺してしまうのでしょうか。
発生から数日と、早々に容疑者が逮捕されたのは、秋田県警が受けた批判を意識したのでしょうか。何はともあれ、 早く逮捕されたのは不幸中の幸いでしょう。
若林容疑者は妻子がいるそうですが、家族は事件のことを知っていたのでしょうか・・・
被害者の方のご冥福をお祈りいたします。
毎日インタラクティブ
岩手母娘殺害:29歳男、死体遺棄容疑で緊急逮捕
岩手県洋野(ひろの)町の会社員、上野紀子さん(52)と二女の会社員、友紀さん(25) が行方不明になった事件で、県警久慈署捜査本部は25日未明、紀子さんの遺体を山林に遺棄したとして、 青森県八戸市沢里、塗装業、若林一行容疑者(29)を死体遺棄容疑で緊急逮捕した。 供述通り近くの山林から紀子さんの遺体が見つかった。若林容疑者は2人の殺害をほのめかし、 友紀さんの遺体も近くに遺棄したと供述している。捜査本部は友紀さんの捜索を急ぐとともに、 殺人容疑でも若林容疑者を追及する。
調べでは、若林容疑者は19日、 紀子さんの遺体を自宅から南西約5キロの山林の雑草の中に放置した疑い。 若林容疑者は窃盗目的で侵入したことを認める供述もしており、上野さん方の裏庭には下着など衣類が落ちていた。
上野さん母娘は19日午後5時ごろ、それぞれの勤務先を出たのを最後に行方不明になっていた。 連絡が取れないのを不審に思った親類の男性が22日午後、同署交番に届け出た。午後2時ごろ、 同署員が自宅に入ったところ、1階和室の畳に血痕をふき取ったような跡があった。紀子さんの車は自宅近くに、 友紀さんの車は自宅から約200メートルの場所に放置され、自宅の玄関、窓、車はいずれも施錠されていた。
同署は現場の状況などから、母娘は殺害された可能性が高いとみて捜査本部を設置し、 母娘の行方を捜していた。
近くの住民から20日、 上野さん方の近くで19日に不審な軽トラックを目撃したという情報が寄せられた。 捜査本部はナンバーから若林容疑者を割り出し24日、八戸市内にいるところを任意同行を求めた。当初は否認していたが、 同日夜になって殺害をほのめかす供述を始めた。その後、観光宿泊施設「アグリパークおおさわ」 近くの遺棄現場に同行させ、紀子さんの遺体を発見した。
捜査本部は25日、若林容疑者の自宅を家宅捜索し、事件に使われたとみられる軽トラックを押収。 同日午後、紀子さんの遺体を司法解剖し死因を調べる。母娘の持っていた鍵がなくなっていたことから、 若林容疑者が奪ったとみて、凶器とともに捜している。また、若林容疑者と母娘と面識があったかについても調べている。 【苅田伸宏、安田光高、念佛明奈】
毎日新聞 2006年7月25日 11時32分 (最終更新時間 7月25日 14時29分)
のどかな山あいの田園地帯で暮らす母娘が襲われ、母親の遺体が見つかった。 おとなしくまじめな上野紀子さん(52)と、明るくて元気で、近く結婚する予定だったという友紀さん(25)。 岩手県警久慈署捜査本部は、塗装業、若林一行容疑者(29) が窃盗目的で侵入し居直って2人を殺害したとの見方を強めている。若林容疑者はなぜ上野さん方を狙ったのか。 なぜ友紀さんの車は自宅から離れた場所から見つかったのか。捜査本部は若林容疑者を徹底追及する。【安田光高、 念佛明奈、喜浦遊】
上野さん母娘が暮らしていた岩手県洋野町種市は青森県境に位置し、 若林容疑者の自宅がある青森県八戸市沢里からは約20キロ、車なら30分足らずの距離だ。 集落のはずれで人通りは少なく、田畑に囲まれ周辺に住宅は少ない。紀子さんの夫は約7年前に病死、長男、長女は独立し、 約1カ月前に友紀さんが帰郷するまでは、紀子さんは自動車部品工場に勤め、一人暮らしをしていた。
紀子さんの遺体発見を聞き、親族の女性は(59)は「憎くてしょうがない。何で殺す必要があるのか」 と泣き崩れた。民生委員の男性(67)は「休みの日はよく庭の草むしりをしていた。地区内の班の役員も務め、 会合にもよく参加していた。夫が亡くなった後、何か悩みや大変なことがあればいつでも話してほしいと言っていたのに」 と言葉を詰まらせた。勤め先の上司は「おとなしい真面目な人だった。これまで無断欠勤したこともなかったし、 最後に見た時も特に変わった様子はなかった」と話す。
岩手県矢巾町の運送会社で働いていた友紀さんは、約1カ月前に洋野町の実家に帰ってきたばかりだった。
友人は「近々結婚する予定だと聞いていた。きれいな人だった。何でこんなことになるのか」と話した。 高校卒業後に1年間アルバイトをしていた同町のコンビニエンスストアの女性店長(33)は 「行方不明になっていると聞いて心配していた。ショックです。明るくて元気のいい子で仕事もてきぱきこなしていた。 辞めてからも何度か顔を出してくれた」と思い出を語った。
若林容疑者の自宅は、八戸自動車道八戸インターチェンジのすぐ東側に広がる住宅密集地の一角。 近所の人によると、妻、3歳前後の長男、乳児と4人暮らしで、昨年秋ごろ一家で引っ越してきたという。近くの住民は 「どこから引っ越して来たのかは知らないが、よく近所の空き地で長男と遊んでいるのを見かけた。 子煩悩なお父さんだと思っていた。町内での雪かきにも欠かさず出てきており、まじめな人だと思っていたのに……」 と驚いた様子だった。別の住民は「赤ちゃんがいるのに、2〜3日前から洗濯物が干されていなかった。 家に誰もいないのかなと気になっていた」と話した。
毎日新聞 2006年7月25日 11時14分 (最終更新時間 7月25日 14時42分)