2006年07月25日

医学部の志願者急増

 現在、大学受験の志望学部として、医学部の志願者が急増しているらしい。受験者全体が減っている状況で、 医学部志望者が増加している、という傾向だそうです。

 引用記事によると、「医師は将来の安定した生活が保証される」というのが志望理由だそうです。 一昔前ならこういう理由は公務員の志望理由だった思いますが、今は医師なのですね。国も地方も財政に不安が多いので、 公務員は人気が下がっていると言うことでしょうか。
 さらに『医師免許は年齢制限も無いし、更新制もない』という下りは、なかなか現実をよく見ているな、と思いました。 さらに加えるなら、医師は高収入(を狙える)だし、社会的ステイタスもあるし、と言ったところでしょうか。

 

 いわゆる、生活していくための生業の一つとして、医師を選択しているのでしょうが、 生命に直接関係する仕事のリスクとか、(医師全員ではないにしろ)相当な長時間勤務が行われている、といった労働環境など、 利点以外の面も考えてのことなのでしょうか?

 引用記事からは読取れませんが、もし、自分の生活の安定にのみ熱心な医師が増えるのなら、 診察してもらう側としてはとても不安なことです。

asahi.com
医学部シフト過熱 志願者急増、少子化でも10万人突破

2006年07月25日10時33分

 大学受験で今、「医学部シフト」が起きている。少子化で受験者が減る中、医学部志願者数は約10万人 (延べ人数)を超え、東大、京大などの理系学部よりも国公立大の医学部へという志向が強くなっている。 医師という将来安定した生活が保証される学部というのが理由だ。同時に医療現場では、 診療科や地域で医師偏在が起きるという皮肉な現象が起きている。

 今春、関東の私立大医学部に入学した女性(19)は、「一生食べていけるのかは大事。 医師免許は年齢制限もないし、更新制もない。病気はなくならない。高校生には利点ばかりが見える」と話す。

 文部科学省「学校基本調査報告書」などから集計すると、全国の国公立大と私立大の計80の医学部 (医学科、防衛医大含む)の定員約7700人に対して、志願者数(延べ人数)は、 00年度入試では8万8996人だったが、04年度入試で10万人を突破。05年度入試はさらに増え、 10万5993人だ。

 この間、大学・短大の志願者数が約9万2000人減少した。さらに84年度をピークに医学部定員が 「医師過剰時代」の回避などを目的として政策的に減らされてきたことを考えると、受験生の「医学部シフト」は顕著だ。

 合格者は「西高東低」だ。受験情報出版社「大学通信」がまとめた国公立大医学部(06年度入試) の合格者は、1位が東海(愛知)80人、2位が灘(兵庫)67人、3位がラ・サール(鹿児島)59人、 4位が東大寺学園(奈良)55人と私立の中高一貫校が続く。上位11校のうち7校は西日本だ。

 灘は、今年度の高3の218人中160人が理系で、うち約70人が医学部志望という。 東大寺学園は従来、医学部志望者は40人台だったが、04年度卒業生は50人を超え、昨年度卒業生は63人だった。 「官庁や企業の本社が多い東京では魅力を感じる仕事も多いが、関西はそういう機会が少なく、 身近で活躍する医師の人気が高い」と同校。

 「就職難が深刻だった00年ごろから、西日本の中高一貫校を中心に『東大・京大より医学部』 という動きがでてきた」と「大学通信」の安田賢治情報編集部長は話す。

 また、医療関係者の間では、西日本は元々、 北海道や東北に比べて医療機関や医師数が多いことが影響しているという見方がある。

 最近、東日本にも医学部人気が高まってきた。開成(東京)の場合、 06年度入試の東大合格者数は140人で前年度より30人減った。逆に国公立大医学部の合格者は14人増えて56人 (6月現在)。進路指導委員長だった橋本弘正教諭は、「成績上位の生徒が医学部を目指す。 安定志向が強まったのかもしれません」と話す。

 合格者の増加は都会の私立中高一貫校が目立つ。全国の国公立医学部の合格者のうち首都圏・ 近畿圏の私立高校出身者が占める割合は計27.2%だ。都会の受験生が地方大学に流れ、難易度を押し上げる。 大手予備校の河合塾によると、医師不足が深刻な東北地方の弘前、秋田、山形、福島県立医の各大学でも偏差値67.5。 入試科目の違いなど単純には比べられないが、東京大理科1類、理科2類(いずれも67.5)と肩を並べる難易度だ。

 医学部は現在、全都道府県にあるが、医学部生が卒後、出身大学のある県内医療機関に残るとは限らない。

 大阪市内の高校を卒業後、愛媛大医学部(東温市)に入った6年生の男性(27)は今、 医師免許取得後の臨床研修は大阪でするつもりだ。

 「愛媛大を選んだのはセンター試験の点数と試験日程。愛媛はのんびりしていて楽かもしれないけど、 医師として強くなれない気がする。やっぱり都会で暮らしたい」。希望は外科か小児科。症例数が多く、 技術を高めさせてくれる都会の病院を希望する。

 福島県立医大は、学生の42.6%が女性だ。今春の卒業生79人のうち、 県外出身者で福島県内に残ったのは、男性11人、女性7人。男性12人、女性24人が県外に出た。藤田禎三副学長は、 「女性は親元に帰る傾向が強い。子育てを考えれば、親元で働かないと仕事を続けることが難しい労働環境もある」と見る。

 関西の国立大に通う女子学生(22)は実習を経験して初めて、 「こんなに残業が多い職場だとは思わなかったと漏らす同級生も多い」という。

 国公立大医学部合格者数の上位11校中にも、四天王寺(大阪)と桜蔭(東京)の2女子高が入る。

 地方大学では対策として、推薦入試での地域枠導入が進む。97年度に札幌医科大が導入。 現在は16大学で実施され、121人の枠がある。来年度は富山大など3大学も導入予定だ。

 滋賀医大は、定員85人のうち8〜9割が県外出身者。98年度入試から、推薦枠15人 (02年度から20人)のうち7人を地域枠にした。強制力がなく、 地域枠で入学した学生のうち県内に残っている医師は半分程度だ。

 地元定着率を上げて医師偏在を緩和する方策の一つとして、 厚労省の医師需給検討会が今月19日に取りまとめた最終報告書では、医師不足地域に限り、 地域定着策を絡めるなど条件付きで入学定員の一部増を認めることを検討すべきだとした。

 例えば、学費などが無料の代わりに9年間、 都道府県職員として地域医療施設への勤務が義務づけられている自治医科大のような仕組みを、 医師不足地域の医学部入試などに導入できないかというものだ。しかし、どの大学にどういう条件で定員増を認めるか、 検討課題は多い。

 

 

posted by いさた at 14:11 | Comment(0) | TrackBack(1) | 思い事(固め) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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医学部シフト過熱 志願者急増、少子化でも10万人突破
Excerpt:  眠い。  明日までの3日間は、次のテストとレポートが並んでいて、結構きつい。 ●生化学:たくさん覚える。物選(高校で生物をやらず物理をやってきた人)のおれにはきつい。 ●ドイツ語:試験をしない先生..
Weblog: 社会人経由、医学生の日記
Tracked: 2006-07-25 15:59
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