王監督の手術は、昨日無事に終った、ということです。やはり胃ガンだったそうですが、
早期に治療が出来たのは幸運だと思います。
経過も今のところ順調ということなので、しっかりと療養・休養されて、
また監督としてグラウンドに戻ってこられると信じています。
胃を全摘出した、という事だけを聞いていて、かなり広い範囲を切開したようなイメージを持っていたのですが、 最近は内視鏡を使った手術で、大きな切開をせず、患者の負担を減らせる治療が出来るようになっているのですね。 医療技術の進歩はすごい。
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王監督は「安定した状態」 医師団が経過説明
2006年07月18日11時24分
胃の全摘出手術を17日に受けたプロ野球ソフトバンクの王貞治監督について、執刀した慶応大学病院(東京都新宿区) 外科チームの北島政樹教授ら医師団は18日、同大で記者会見を開いて経過を説明した。医師団によると、病名は胃がん。 早期という。9時間7分に及んだ手術は無事終わり、現在は安定した状態。近く、退院に向けたリハビリを始める予定だ。
手術は、おなかの皮膚に数カ所穴を開けて内視鏡や器具を入れ、モニターを見ながら手元で操作する「腹腔(ふくくう) 鏡手術」という方法。おなかを開く手術と比べて体への負担が少ない。北島教授は「早期の社会復帰と術後の生活の質を考えて、 この方法を提示し、ご家族に選択してもらった」と話した。がんを含む胃の全体を取り出したあと、 胃につながる食道と腸をつなげる処置をした。王監督は18日朝、集中治療室から一般病室へ移り、病室内を歩いたという。
がんは約5センチの大きさで胃の上側から中央部にかけての部分にあった。 一部が胃の粘膜下層と呼ばれる場所に達していたほか、近くのリンパ節に転移していたが、取り除いたという。 早期がんに分類され、日本胃癌(いがん)学会の治療指針では、標準的な開腹手術や、小さめに切る縮小手術が推奨されていて、 治療がしやすい段階だ。腹腔鏡による切除は臨床研究と位置づけられている。
今後、順調にいけば術後3日目あたりから水分を摂取し、10日ほどすると退院できる状態にまで回復する見込み。 ただ、監督業務で疲れがたまっているため、「退院時期はご家族とよく相談して決めたい」(北島教授)という。
王監督は6月ごろから胃のもたれなどを感じ、地元の病院で調べたところ、手術が必要な腫瘍(しゅよう) があることが判明。慶応大学病院に移っていた。
日本内視鏡外科学会の集計によると、91〜03年に実施された腹腔鏡による胃がん切除は計7827人にのぼり、 このうち胃の全摘は184人。全摘ではほとんどの場合、がんの転移の危険を下げるため、周辺のリンパ節を取り除く 「リンパ節郭清(かくせい)」をしていた。現時点で腹腔鏡による胃がん切除が1万例を超えているのは確実で、とりわけ、 全摘は急速に増えているとみられている。
専門家によると、一般に腹腔鏡による胃がん切除は開腹手術に比べ、患者への負担が軽く入院期間が短くて済み、 傷跡も小さい。ただ、十分な技術が必要だ。これまでは粘膜層にとどまる早期がんの部分切除が多かったが、 近年は技術力が上がり、もっと進んだがんでも実施することが増えているという。