今の大阪府議会は、橋下府知事の党・「大阪維新の会」が第1党で、単独で過半数をとれる力をもっています。まあ、それぐらいの力があることと、党のトップのやり方の影響があるのか、数を頼んだ採決が行われているようです。
そんな状況の中、全国初となる「君が代起立条例」、また議会の定数を109から88と2割削減する条例が可決されたとのこと。
「君が代起立条例」は、大阪府内の公立学校の教職員に対し国歌斉唱時の起立を義務づけるもので、条例に従わない場合の罰則は今のところ無いそうです。
思想・良心の自由に抵触するか?思想の強制ではないのか?といった微妙な問題に絡んでくる条例ですが、日本の「公立」学校で、自国の国家を歌うという行為に抵抗がある、というのも妙な話ではあります。
日の丸・君が代は、かつての軍国主義の象徴、「愛国心」などと言うと、軍国主義者・・・といった理由で、否定的にとらえられてきた面がありますね。しかし、国のシンボルを否定してきたことで、自分が属する国家に誇りを持てなくなってしまった、ということもまた事実かと思います。
拒否しているだけで良いのか・・・特に教育者ならなおさらだと思いますが、まあ、起立を義務づける条例が必要、というのもまた妙な感じです。
府議会の定数削減の方は、経費的には(つまりは税の使い道的には)悪くはないんじゃないかと思います。次の2015年の府議選から適用だそうですが、さらに言えばすぐに府議会を解散して、新定数で選挙をする、という方がもっとよかったじゃないかと思います。
そうすれば、今度は維新の会が大幅に議席を減らしたりするのかもしれません。
自分達が考えることを実現しようと動くのはかまわないのですが、採決に至るまでにあまり議論が行われていないように感じます。橋下的手法では、プロセスはともかく実現してナンボ、ということなのでしょうが、このままでは維新の会の敵・味方の両極端ばかりを増やしていってしまいそうです。
政策を実現し、その結果で判断して欲しい、ということかもしれませんが、プロセス軽視は独裁、独断専行に見えて仕方がありません。
YOMIURI ONLINE
全国初の「君が代起立条例」可決…大阪府議会
地域政党・大阪維新の会(代表・橋下徹大阪府知事)が提案した全国初の「君が代起立条例」が、3日夜の府議会で可決、成立した。過半数を握る維新などの賛成多数で可決した。
公明、自民、民主、共産各会派は反対した。市町村立を含む府内公立学校の教職員に対し、国歌斉唱時の起立を義務づける内容。府施設での国旗の常時掲揚も義務づけた。罰則規定は盛り込まれていない。
採決では、維新(議長を除き56人)のほか、みんなの党(1人)と無所属クラブ(2人)が賛成。反対は公明、自民、民主、共産など計48人で、「府教委が起立斉唱を指導しており、条例化は不要」などとした。自民の1人は退席した。
条例は「学校での服務規律の厳格化」などを目的に掲げ、府内の公立小中高校などの学校行事で君が代を斉唱する際、「教職員は起立により行う」とした。府教委が任免・処分権を持たない大阪、堺両政令市の教職員も対象にしている。今月中に施行される見通し。
(2011年6月3日19時40分 読売新聞)
大阪府議会は4日未明、橋下徹知事が率いる地域政党・大阪維新の会が提案した、現行109の議員定数を88に大幅削減する条例を可決した。
公明、自民、民主、共産各会派が欠席する中、過半数を握る維新が「強行採決」に踏み切った。2015年の次期府議選から適用される。
橋下知事は本会議後、報道陣に、「採決のあり方には賛否両論あるかもわからないが、21議席という大幅な削減、議会改革への決意は、府民にも理解してもらえると思う」と語った。
(2011年6月4日09時19分 読売新聞)