昨日発生した三陸沖が震源のM8.8、最大震度7の巨大地震。被災されている方々にはまずはお見舞い申し上げます。
M8.8は世界でも最大級の規模の地震。ここ大阪でも大きな揺れではありませんでしたが、長い間横揺れが続き、三陸の方が震源と聞いて驚きました。遠く離れた大阪でこれだけの揺れ、震源近くではいったいどれほどの揺れだったのだろうかと・・・
およそ1日がたち、被害状況が徐々に明らかになってきていますが、津波の強烈な破壊力とそれに連なる被害に言葉が出てきません。すみやかな救助・復旧が進むことを祈るばかりです。
また、今のところ詳しく報道されていないようですが、福島の原発が地震の影響で放射能漏れを起こしています。原子炉の過熱を制御できない状態になっているようですが、最悪のケースを考えるとこれは相当に深刻な状態だと思います。周辺3キロ地域の避難程度で足りるのだろうか?
さらに、本日未明に今度は長野でも震度6強の地震が発生。今回の三陸沖地震が周辺の地震を誘発している可能性も否定できない、とのことなので、西日本も警戒しておく方が良いようです。
これから、日本各地で同規模の地震がいくつかおきたら、まさに壊滅的な打撃になってしまいますが・・・・
asahi.com
東日本大震災 M8.8世界最大級、沿岸に大津波
2011年3月12日2時35分
11日午後2時46分ごろ、三陸沖を震源とする大地震があり、宮城県栗原市で震度7を観測した。北海道から九州にかけての広い範囲で震度6強〜1の揺れと、津波に見舞われ、死者・行方不明者は東北を中心に850人を超えた。地震の規模を示すマグニチュード(M)は8.8で、記録が残る1923年以降国内で最大。昨年2月のチリ大地震(M8.8)に匹敵する世界最大級の地震になった。
震源は宮城県・牡鹿(おしか)半島の東南東約130キロ、深さ約24キロ。専門家によると、今回の地震エネルギーは関東大震災の約30倍、阪神大震災の約1千倍に相当するという。
警察庁によると、この地震による死者は12日午前1時現在、宮城、福島、東京などの1都8県で133人、行方不明者は530人。これとは別に、仙台市若林区で津波による200〜300人の水死とみられる遺体が見つかっている。
気象庁は地震発生から約4分後の午後2時50分ごろ、岩手、宮城、福島県に大津波警報(高さ3メートル以上)を発令した。各沿岸での最大波は、福島県相馬市で7.3メートル以上(午後3時50分)、茨城県大洗町で4.2メートル(同4時52分)、岩手県釜石市で4.1メートル以上(同3時21分)だった。宮城県気仙沼市では、沿岸での高さは不明だが、沖合では6メートル(同3時14分)の波が観測された。
気象庁によると、12日午前0時現在、北海道から高知県の太平洋側を中心に18地域で大津波警報が出ている。同庁は今回の地震を「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」と命名した。
11日午後3時15分ごろには、茨城県沖を震源とするM7.3の地震も発生。政府の地震調査委員会は同日夜、「震源域は岩手県沖から茨城県沖までの広範囲にわたる。これらすべてが連動して発生する地震は想定外だった」との見解を発表した。
総務省消防庁や警察庁によると、津波の被害は、岩手、宮城、福島、茨城、青森の5県に及び、多数の死者、行方不明者が出ている。
仙台市では、津波で海岸線の多数の民家が流された。水死と見られる200〜300の遺体が発見された仙台市若林区では、海岸から10キロ離れた区役所まで津波が襲来。石巻市でも住宅10棟が流出。気仙沼市では、JR気仙沼駅周辺など市中心部が広い範囲で燃えている。防衛省によると、東西4.5キロ、南北2.5キロの範囲に及び、午後11時55分現在でさらに拡大している模様だという。
岩手県大船渡市の末崎町細浦地区は、津波で地区全体が流され、壊滅状態だという。同市三陸町の綾里地区と越喜来浦浜地区でも、計300棟以上が崩壊または流出。綾里地区では48人の行方が分からないという。JR東日本によると、同市内を走っていた大船渡線の列車(2両編成)と、津波後に連絡が取れなくなっている。宮古市周辺では10カ所以上の集落が全壊した。陸前高田市も四つの地域が水没した。
福島県相馬市では、海岸線で土砂崩れがあり、行方不明者が多く出ている。防衛省によると、南相馬市では約1800世帯が壊滅状態。宮城県に接する新地町でも住宅414棟が全壊。富岡町でも、海沿いの数百戸やJR富岡駅も津波で倒壊。青森県八戸市では津波被害が甚大で、詳細が把握できない状態だという。茨城県大洗町では町中心まで津波が達した。
このほか、宮城県利府町ではジャスコ利府店で天井の空調設備が崩落し、子どもが下敷きになり死亡。福島県では、老人ホームで5人が死亡したという情報がある。
2011年3月12日12時38分
東京電力は12日朝、東日本大震災で被害を受けた福島第一原子力発電所1号機(福島県大熊町)で、放射性物質を含む空気を大気中に放出するため、弁を開ける作業をした。原子炉格納容器が破損して大量の放射性物質が外部にもれるのを防ぐための措置で、意図的に放射性物質を外部に出すのは国内初。福島第二原発(同県楢葉町、富岡町)でも、原子炉の容器内の圧力を制御できないため、1〜4号機のすべてで放出の準備作業に入った。政府は第二原発に対しても緊急事態を宣言した。
経済産業省原子力安全・保安院は同日午前10時の会見で、福島第一原発1号機の原子炉圧力容器の水位がマイナスになっていることを明らかにした。東電は、燃料の一部が水面から露出したとみており、建屋内の放射線レベルが高くなっていることから、「燃料の一部が溶けるなど何らかの損傷を受けている可能性が高い」という。水位の低下を防ぐため、消防車でこれまでに2万1千リットルの冷却水を注入しているという。
保安院や東電によると、福島第一原発1号機で、原子炉建屋内にある中央制御室の放射線量が通常の約1千倍に達している。正門付近では、通常の約20倍となっているという。中央制御室の通常の放射線量は1時間あたり0.16マイクロシーベルトだが、12日早朝の時点で150マイクロシーベルトに達していた。
通常、原発では建屋内にある原子炉格納容器から建屋に放射能が漏れ出ないように、建屋内より格納容器側の気圧を下げている。保安院は、この機能が失われているか、放射性物質が漏れ出ている可能性もあるとみている。
政府は福島第一原発から半径3キロ以内としていた避難指示を半径10キロに拡大。3キロ圏の双葉、大熊両町に滞在中の約7千人を含め、10キロ圏の4町に滞在する5万1207人が避難対象になった。
政府はさらに12日朝、福島第二原発に対しても原子力災害緊急事態を宣言し、半径3キロ以内の住民には避難を、10キロ以内の住民には屋内待避をそれぞれ指示した。
東電によると、福島第一原発での放出作業は、原子炉格納容器の圧力が上がりすぎたためだ。同日午前4時すぎの会見で、想定している設計圧力400キロパスカルに対し、計測数値は2.1倍の840キロパスカルに上がっていた。
1号機では、非常用電源の故障のため、緊急炉心冷却システム(ECCS)が働かなくなり、核燃料の過熱を防ぐ手段がなくなっていた。熱によって圧力が高まった圧力容器内の蒸気が、安全弁によって逃がされたため、その一つ外側にある原子炉格納容器内の圧力が高まったことが考えられるという。
放出に伴う被曝(ひばく)量について、東電は「発電所構内のうち線量が最も大きい場所で、放出開始から終了までの間に64ミリシーベルト」と試算している。放射線業務に従事する人に関して国が定める年間被曝量の上限は50ミリシーベルトで、やや上回る値だ。
東電はかなり多めに見積もった数値としている。核燃料のウランは焼き固められており、金属でできた「被覆管」で表面を守られているからだ。東電が明らかにした被曝量の試算は、被覆管が壊れてウランの2%が溶け出した結果として、想定される数値だという。
一方、福島第一原発の敷地境界にある環境中の放射線を測る装置(モニタリングポスト)は8カ所とも機能していないという。このため東電は、手持ちの測定装置で対応している。1〜4号機の排気筒の測定装置についても停止しているという。
YOMIURI ONLINE
列島各地で誘発地震、M6以上が広がる可能性も
11日午後2時46分に三陸沖を震源として発生した東日本巨大地震に続き、長野県北部で震度6強の強い地震が起きるなど、東北、中信越、関東など列島各地で地震が相次いでいる。
マグニチュード(M)6以上の地震だけでも12日午前11時現在、合計20件発生した。周辺部の地盤が連鎖的に刺激を受け、地震が頻発していると専門家は見ている。
気象庁地震津波監視課の横山博文課長は同日、「今回のように日本各地の広域にわたって地震が多発した例はない」と指摘した。このうち、同日未明に長野県北部で最大震度6強を記録した地震(M6・7)については「(11日の東日本巨大地震の発生によって)地盤にかかる力が変化し、誘発された可能性がないとはいえない。ほかの地域でも地震が起きる可能性がある」と述べ、警戒を呼びかけた。
同庁によると、長野県北部の地震は、「十日町断層帯」と呼ばれる断層帯の南西の端で発生。地盤内でたまったひずみが原因の逆断層型の地震で、プレート(岩板)の境界がずれた東日本巨大地震とはメカニズムは異なる。だが、M8・8の観測史上最大の地震が日本列島の地盤のひずみの状態を変えた可能性があるという。
加藤照之・東大地震研教授(地殻変動)は、「今回の震源域での余震だけではなく、広範囲でM6〜7クラスの地震が起こりうる」と見る。2004年に死者・行方不明者28万人以上を出したスマトラ沖地震(M8・8)では、その3か月後に隣接した海域でM8・4の巨大地震が発生したからだ。今年2月にニュージーランドのクライストチャーチ市で日本人留学生らが犠牲になったM6・3の地震でも、その5か月前に、同市近くを震源とするM7・0の地震が起きた。
防災科学技術研究所の岡田義光理事長(地震学)が心配するのは、東日本巨大地震の震源域の南側に位置する房総半島の東方沖で、巨大地震が誘発されることだ。房総半島の東方沖では、1677年にM8・0の巨大地震が起き、200人以上が津波で亡くなった。岡田理事長は「今回の地震では茨城県沖まで断層がずれた可能性があり、半年から1年の間は注意が必要だ」と指摘する。
(2011年3月12日13時27分 読売新聞)