南極海で行われている調査捕鯨がおよそ1ヶ月の期間を残して打ち切りになるとのことです。
あの「シー・シェパード」の妨害が原因だそうで、捕鯨船団のクルーの安全に関わるところまできているとのことです。
自然保護に名を借りたテロリストの攻撃に、やむを得ず打ち切りという感じですが、
乗組員の方々の安全には代えられません。
捕鯨に関してはまだ国際的に議論があるとはいえ、一応国際捕鯨委員会に認められた枠内でのことで、
密漁しているわけでもないのに打ち切りというのは、理不尽な思いです。
捕鯨を止めさせるというシー・シェパードの目的は達せられたように見えますが、理解を得られる結果ではありませんね。
asahi.com
調査捕鯨打ち切り シー・シェパード妨害で 農水相表明
2011年2月18日11時49分
南極海で実施中の調査捕鯨について、鹿野道彦農林水産相は18日の記者会見で、
3月半ばまでの予定を切り上げて船団4隻を帰国させると表明した。反捕鯨団体「シー・シェパード」(SS)
による妨害活動で捕鯨が不可能になったためという。4隻は鹿野農水相の指示を受け、帰国を始めた。1987年の調査捕鯨開始以来、途中での打ち切りは船団で火災が起きた2007年のみで、妨害が原因は初めて。
調査捕鯨の大半は南極海で実施されており、今後の調査や捕鯨を巡る議論に影響を与えそうだ。鹿野農水相は同日午前、打ち切りの方針を菅直人首相に報告し、了承を得た。鹿野農水相は会見で「乗組員の生命、財産、
調査船の安全を確保するために、やむを得ず調査を切り上げる」と説明。来季以降の調査捕鯨については
「なかなか困難な状況とみている。これから検討する」と述べた。今季の南極海調査捕鯨では、1月1日からSSによる発煙筒の投げ込みなどの断続的な妨害活動が始まり、
今月11日までに9回を数えた。今季はSSの船の能力が上がり、日本の母船・日新丸(8044トン)
がSSの追尾を振り切れない状態が続いていた。最近になり、SSがもう1隻の妨害船を派遣する動きを見せたため、
「不測の事態が起きて乗組員に危険が及ぶ恐れがある」(鹿野農水相)と判断したという。日本の船団は昨年12月に出港。今季は3月中旬まで操業する予定だったが、1カ月近く残して帰国させる。
今季のこれまでの南極海での捕獲頭数はミンククジラ170頭、ナガスクジラ2頭で、国際捕鯨委員会(IWC)
で認められた枠であるミンク850頭、ナガス50頭を大幅に割り込んでいる。(大谷聡)
YOMIURI ONLINE
妨害行為は過激化…シー・シェパード
シー・シェパードは、環境保護団体「グリーンピース」のメンバーだったカナダ出身のポール・
ワトソン代表が1977年に設立。海洋生物の保護を理由に、暴力的な手段をいとわない過激な活動を展開することから「エコ・テロリスト」
とも指摘されている。南極海での日本の調査捕鯨に対する妨害活動は2005年以降、継続的に行われ、
これまでに日本人乗組員ら少なくとも8人が負傷。妨害行為は過激化する傾向にあり、
2010年1月には日本の調査捕鯨船団の監視船「第2昭南丸」に、シー・シェパードの小型高速船「アディ・ギル号」が衝突。
同年2月には、同号の元船長が第2昭南丸に侵入して身柄を拘束され、翌3月、艦船侵入容疑で海上保安庁に逮捕された。同庁は、元船長に妨害を指示したとして、ワトソン代表についても威力業務妨害容疑などで逮捕状をとっている。
(2011年2月18日15時53分 読売新聞)
乗組員の安全の確保は必要ですが、そして攻撃が事前にわかっていたと言うのに、このような態度を取るようでは尖閣諸島同様の弱腰外交と世界は受け取るでしょう。
もっと、ほかに手段がなかったのか、悔いを残すと思います。
弱腰の対応であると私も思いますが、今の政権にすれば、自身の存続のためには捕鯨問題に割いている時間も能力も無い、というのが現実なのではないでしょうか。
来シーズン以降、捲土重来を期して再開できれば良いのですが。