毎日インタラクティブからの引用は、ルノワール「水の中の裸婦」のほほの色遣いが、 現代のメークに近い色遣いをしている、という研究結果に関する記事。「水の中の裸婦」は約120年前の作品。
現在のメークに近い色遣い、ではなくルノワールが用いた手法が、
(意図的ではないにしろ)現代のメークとして使われている、という方が正確でしょう。
たぶん、なんらかの意図があってのことなのでしょうが・・・ルノワールへの敬意がある言い方ではないですね。
逆の言い方をすれば、ルノワールのアートに追いつくのに120年かかった、とも言えます。
毎日インタラクティブ
ルノワール:
女性画に現代メークの色遣い 青と赤で透明感
19世紀のフランスの画家、ルノワールの描いた女性の肌を分析すると、 青と赤を巧みに組み合わせ透明感を高める現代のメークに近い色遣いをしていることが、ポーラ化粧品本舗(東京都品川区) の研究で分かった。同社は「肌を美しく見せる秘けつは120年前から変わらないようだ」と話している。
同社はルノワールの「水のなかの裸婦」(1888年作、ポーラ美術館収蔵)や、 透明感が高く美しい肌を持つ日本人女性の素肌、白人女性の写真の肌、人形の肌などを「分光反射器」 と呼ばれる装置で分析。肌から反射される光を青、緑、赤などに分解し反射率を比べた。
その結果、本物の「美しい素肌」に最も近かったのが「水のなかの裸婦」のほおの部分で、 青から赤へと光の波長が長くなるに従い反射率は上昇するが、中間の緑の部分がへこんだ、よく似た形のグラフになった。
さらに、絵の肌の部分を顕微鏡で観察すると、白と朱色を混ぜた下塗りの後、 透明感の高い赤と青を薄く重ね、発色効果を高めていた。現代のメークでも、透明感の高い美しい肌に見せるため、 ファンデーションの上から、青や赤のパウダーを重ねるテクニックがよく使われている。緑の反射率が高いと、 肌がくすんだ印象になるという。
同美術館学芸員の内呂博之さんは「ルノワールはモデルの女性に、現代の化粧法とも共通する的確な “メークアップ”を施したといえる」と話している。【上杉恵子】
毎日新聞 2006年5月2日 11時18分 (最終更新時間 5月2日 11時49分)