昨日の九州場所2日目で、横綱白鵬は、平幕の稀勢の里に敗れて連勝記録は63でストップしました。
双葉山の69連勝を抜くかと思われていましたが、熱戦の末、平幕力士に敗れました。敗れ方は双葉山に似ています。
それにしても稀勢の里は歴史に残る大金星をあげましたね。上位に外国人力士が名を連ねる今の状況で、 平幕の日本人力士が快挙を成し遂げたと思います。
昨日のニュースでは、勝った方も負けた方も何が起きたのかわからない、といった面持ちでした。 まだ場所ははじまったばかりですが、このまま緊張の糸が切れて両力士とも調子が落ちてしまった、 ということにならなければ良いですが。
稀勢の里・白鵬共にまだ20代半ば。良い経験をしたでしょうから、これを活かして、 将来もますます活躍して欲しいですね。
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白鵬、稀勢の里に敗れる 63で連勝ストップ
2010年11月15日19時2分
大相撲九州場所2日目は15日、福岡市の福岡国際センターであり、横綱白鵬(25)=本名ムンフバト・ダバジャルガル、 モンゴル出身、宮城野部屋=の連勝が「63」で止まった。平幕稀勢の里の突き落としに体勢を崩して押し込まれ、 最後は寄り切られた。双葉山の持つ歴代1位の「69」連勝には届かなかった。
白鵬は、今年1月の初場所14日目から白星を積み重ねていた。9月の秋場所7日目に連勝を「54」とし、 元横綱千代の富士(現九重親方)を抜いて昭和以降2位の連勝記録を樹立。九州場所初日まで連勝を伸ばし、「63」としていた。
今年3月の春場所から9月の秋場所まで、4場所連続で全勝優勝。九州場所では、歴代最多となる9度目の全勝優勝、 歴代1位タイとなる5場所連続全勝優勝、さらに昨年自身が記録した年間最多勝利数を一つ上回る年間通算87勝がかかっていたが、 いずれも達成できなかった。
2010年11月16日0時35分
外国勢が上位を席巻する大相撲で、牛久市出身の稀勢の里(24、本名萩原寛、鳴戸部屋)が歴史的な殊勲の星を挙げた。 九州場所(福岡)2日目の15日、横綱白鵬(25)を寄り切りで破り、今年初場所から続いていた横綱の連勝記録を63で止めた。 早くから将来を期待されながら、最近はやや足踏みが続いていた稀勢の里だが、地元関係者は、 この大金星で再び勢いに乗ってほしいと盛り上がっている。
■感無量
稀勢の里の父親で牛久市に住む萩原貞彦さん(64)は「一人でテレビを見ていました。 皆さんから電話をもらい興奮しています。控えに座っていた時から普段と違って落ち着いていた。勝つのは五分五分かな思っていた。 白鵬は硬くなっていた感じがする。よくやった」と話し、稀勢の里には「何とか自分の相撲が取れたな」とメールして褒めたという。
稀勢の里郷土後援会の関正夫会長=関彰商事会長=は、この日の取組もテレビで観戦していた。「取組前の姿を見て、 非常に冷静だったので、もしかしたらやってくれるのではと思っていた。見事大横綱を破って、誠にうれしく思います」 とコメントした。また、郷土後援会会長代理で牛久市の池辺勝幸市長は「まさしくやっちゃいましたという感じです。 負けるのが怖くてテレビを見ていなかったが、あとから勝ったシーンを2度も見ました。偉大な横綱によく勝ったと思う。 やるときはやるもんだ」と感激していた。
JR牛久駅で、仕事帰りの牛久市に住む20代の女性は「相撲は詳しくはないですが、稀勢の里の結果は気にしています。 白鵬に勝ったのは、市民として誇りに思いますが、連勝記録が止まってしまったのは残念です」と話した。
本場所にはよく行って稀勢の里を応援している牛久相撲甚句会長の福田豊彦さん(76)は、「勝った瞬間、大歓声でした。 感無量です。双葉山の記録は日本人として残したかった。食い止めるのは稀勢の里と期待していた。本当に良かった」と話している。
■愚直に前
稀勢の里は2002年春場所で初土俵。持ち前の馬力と体格を生かした寄り、突き押しで勝ち上がり、 04年初場所で幕下優勝。同年夏場所に17歳で新十両、同年九州場所は18歳という若さで新入幕と、出世街道を突き進んだ。 これまでに殊勲賞2回、敢闘賞3回を獲得している。
だが上位に強い一方、格下と思われる相手に予想外の取りこぼしも目立っていた。
稀勢の里は、小中学生時代まで野球部だった。角界には「おしめより先にまわしをつけた」 と言われるほど幼いころから相撲に親しみ、勝負の駆け引きが身についている力士も少なくないのに対し、 稀勢の里の愚直に前に出る相撲には、良くも悪くも「ずるさ」が足りない。所属する鳴戸部屋は厳しい指導で知られるが、 出げいこよりも自分の部屋で鍛える方針で、多彩な取り口を学ぶ機会も少なかった。
昨年春場所には新関脇となった。しかし今年は名古屋場所と秋場所で負け越して番付を前頭に落とし、 ライバルだった大関琴欧洲らに水をあけられていた。
白鵬との取組では、その愚直に前に出る姿勢が生きた。目先の成績にとらわれずに自分の持ち味を磨いてきた成果が、 大一番で花開いた。(土田芳孝、今直也、津布楽洋一)