まずさ日本一の名誉(?)なイメージを保持していた大阪の水道水ですが、汚名返上に動き出したようです。
上水道の高度処理がはじまってからは、確かに臭い・まずいことは無くなったのですが、それまでは、 夏場はカビくさくなったり、となかなかに大変でした。私が子供の頃は、家で飲む水に関しては、 水道水を一度沸かしてから冷したものでしたね。
今は、沸かしたりはしませんが、BRITAから出ている浄水ポットみたいなものにいったん貯めて使っていますね。 やはり、子供の頃から付いた習慣はなかなか抜けないものだし、家に給水されるまでの水道管のこともあるし、 高度処理水だから直接水道水を飲む、ということはあまりありません。
水の高度処理で汚名返上も結構ですが、本来は、 水源(大阪の場合は琵琶湖から淀川流域にかけてですが)の水質の改善がまず必要なのでしょうね。水源の浄化は、 大阪府だけではなく、滋賀や京都など関連の府県が協力する必要があります。
asahi.com
大阪の水は日本一まずい? 「汚名返上」に関係者躍起
2006年04月17日12時55分
「大阪の水は、日本一まずい」。テレビ番組での何げない出演者の一言で、大阪府職員らが「汚名返上」 に走らされている。水源の淀川の水をオゾンや活性炭の力できれいにする高度浄水処理の成果で、水質には自信がある。 悩みの種は、地元大阪でもいまだに「水道水は臭くて飲めない」と思っている人が多いこと。 関係者はPRに躍起になっている。
「大阪ってさあ、水と空気が日本一まずいじゃないですか」「体壊さないようにね、水道水、 飲んじゃだめよ」
漫画家の西原(さいばら)理恵子さんは2月4日のNHK番組「つながるテレビ@ヒューマン」で、 選抜高校野球大会出場のため、関西に向かう沖縄県・石垣島の八重山商工の球児を気遣った。
「事実と違う」と憤慨したのが、たまたま番組を見ていた府議ら。ハッパをかけられた府水道部は、 自慢の高度浄水処理水を詰めたアルミボトル24本を、NHKを通じ、西原さんに贈った。
本当に水質が改善されたのかを確認して番組で伝えるために、西原さんは3月、 NHKの取材クルーと大阪府守口市の庭窪(にわくぼ)浄水場を訪れた。市販のミネラルウオーターと処理水を飲み比べ、 処理水をミネラルウオーターと間違った。「すいません」。西原さんは番組で潔く「完敗」を認め、 職員は大いに留飲を下げた。
大阪では70年代以降、淀川上流の琵琶湖の富栄養化で植物性プランクトンが大量発生したり、 淀川に注ぐ周辺河川が工場排水などで汚染されたりして、水質が悪化した。「かび臭い」 との苦情は81年度に大阪市に1890件、90年に大阪府に1639件と、それぞれ最多を記録した。
そこで大阪府は94年、大阪市は98年から順次、高度浄水処理を開始。大阪府で約990億円、 大阪市で約750億円かかったが、苦情はほぼゼロになった。同様の処理は全国約40の浄水場で実施されているが、 同府枚方市にある府営村野浄水場は1日の給水能力が約180万立方メートルと国内最大で、中国、 イラクなど海外からの視察も多い。
水質は劇的に改善したが、市民の感覚とはまだずれがある。
武蔵工業大学の長岡裕(ひろし)教授(水環境工学) らが全国1130の小学校を対象とした04年10月の調査では、約6割が水分補給の手段として、 何らかの形で水道水を利用していたが、大阪だけに限ると95%が「自宅から持参した水筒」と答えた。
大阪市の今年1月のインターネット調査でも、普段、 家で水道水をそのまま飲むと答えた市民は2割程度だった。
浄水場を出た段階ではおいしい水が、 集合住宅やビルで使われる貯水槽の汚れでまずくなる可能性も指摘されている。
東京都では04年10月から5年をかけ、都内約22万個の貯水槽の汚れや浮遊物を無料で点検。 貯水槽を経ずに直接各戸と結ぶ「直結給水」への切り替えを促している。
大阪府は、まずは飲んでもらおうと、04〜05年度に府内計17カ所で利き水会を開催。 1万2513人に聞いたところ、「おいしい」が最も多かったのは国産ミネラルウオーターの58.6%だったが、 高度浄水処理水が47.2%で続き、外国産ミネラルウオーターの46.9%を上回った。
大阪市は近く、小学校2、3校をモデル校に指定し、貯水槽からの給水をやめ、 水飲み場の蛇口と水道管を直接結ぶ、直結給水に切り替える。市水道局の担当者は「小さい頃から、 おいしい水の味を舌で覚えてもらうのが狙い」と話す。
昔は、気温が上がって、アオコがたくさん発生するようになると、よく臭くなってましたよ。なので、特に夏場は評判が悪かったですね。