自然環境への甚大な影響を及ぼしたメキシコ湾の海底油田原油流出事故で、流出の封じ込めが完了したようです。
7月に応急手当としてフタを取り付け、とりあえずの流出を止めることに成功。その後別の井戸を掘り、そこから問題の油井にセメントを注入して固める作業が完了した、ということです。
4月に事故が発生、深海底であることから流出を止めることが容易でなく、ここまで至るのに約5ヶ月かかりました。
メキシコ湾岸地域にどれぐらいの環境破壊や経済的被害が出ているのか、日本ではあまり詳しいことは伝わってきません。しかし、ダントツに史上最悪の原油流出事故であることは間違いが無く、自然環境や生態系の回復には相当な時間がかかることもまた、間違いないことでしょう。
油田開発技術はよくわかりませんが、この世界でも安全性より効率・採算性優先という流れになっているのでしょうか。今回の事故が将来の安全対策に教訓として活かさないといけません。
産経ニュース
BP油田完全封印へ メキシコ湾流出事故
2010.9.18 17:26
BP社による原油流出封じ込め作業の中継映像=17日、メキシコ湾(ロイター)BP社による原油流出封じ込め作業の中継映像=17日、メキシコ湾(ロイター)【ワシントン=渡辺浩生】英メジャー(国際石油資本)BPは17日、原油流出事故を起こした米南部メキシコ湾の海底油田の封じ込め作戦が18日に完了することを明らかにした。米メディアが一斉に報じた。BPは、2カ所の「リリーフ井戸」を通じて油井にセメント注入を開始、完全に封印する。これにより、油井は4月の事故発生から約5カ月で永久的に封じられることになる。
BPは7月15日に、油井の上部に密閉式のふたを取り付けて流出を停止。その後、掘り進めてきた「リリーフ井戸」が16日に油井とつながり完成。17日からセメント注入で完全に封印する「ボトム・キル作戦」に着手した。
BPの石油掘削施設は4月20日に爆発し11人が死亡。米史上最大の原油流出事故に発展、深刻な環境被害をもたらした。