公園や河川敷などの公共スペースは、バーベキューをする場所としてはうってつけ。人気が出てくれば、 いろいろな人がするようになり、いろいろな問題が発生しています。なかでも、ゴミや騒音、 あるいは煙やにおいに対しては苦情が多いそうです。
そんなBBQ問題への対策として、川崎市は一部の河川敷の利用を有料化・ また花火を禁止するといった社会実験を行っており、一方で芦屋市は市内の芦屋川河川敷でのバーベキューを条例で禁止する、 という動きになっています。
条例で禁止、というのは京都でも例があり、バーベキュー禁止と明示されているところも少なくありませんね。
芦屋市は景観保全を目的にバーベキューの煙やにおいを規制したい、ということらしいのですが、「周辺住民の迷惑」 を前面に出さない、というのが「芦屋ブランド」の売り込み方なのでしょうかね。
「河川敷で大勢がバーベキューをする風景が、果たして芦屋に似合うのか・似合わないのか?」 的観点の議論によるものであれば、人々の活動までも取り込んだ風景のあり方を考える、というところで画期的なのですが。
一方、有料化の社会実験の方は、「禁止」とは違った方向での解決策を探っているのでしょうね。 禁止しても実効性が期待できないので、より現実的な対策ということかもしれません。
有料化によってある程度利用者が選別されるので、迷惑行為自体は減る効果が期待できますが、昨今の傾向からすると 「迷惑料を払ってるんだから何してもいいだろう」といった方向になることも懸念されます。実験の結果はどう出るでしょうか。
利用者が少ないうちはマナーの徹底で解決していけるでしょうが、やはり利用者があるレベルを超えると、 場所の棲み分けをしていく必要があるでしょうね。
YOMIURI ONLINE
「芦屋ブランド守るため」河川敷BBQ禁止に
手軽に楽しめるレジャーとしてバーベキューの人気が高まる中、 大量のゴミ投棄や夜中まで続く騒音など新たな問題も浮上している。
兵庫県芦屋市の西部を流れる芦屋川の河川敷でもバーベキューをする人たちの増加に伴い、 周辺住民からのにおいや煙への苦情が殺到し、同市は同川全域(4・5キロ)の河川敷で、 バーベキューを条例で禁止する方針を決めた。今年度中に路上喫煙などを規制する「市民マナー条例」に禁止条項を盛り込む。 景観保全目的で、目には見えないにおいや煙を排除する条例改正は珍しい。
松並木やソメイヨシノの名所として知られる同川沿い周辺は邸宅が立ち並び、県条例で風致地区に指定。市も先月、 芦屋にふさわしい街並みを守るため、同川下流の沿岸地域で、住宅の敷地面積やデザインを規制する「特別景観地区」 に定める政策を発表している。
河川敷でのバーベキューは2000年頃から目立ち始め、花見シーズンの休日などは、 100人近い家族連れらであふれるという。
ところが、同川には住宅が隣接。バーベキューをする人たちの増加に伴い、周辺住民から「家の中まで煙が入ってくる」 「においがひどく、窓も開けられない」などの苦情が毎月数件、市や芦屋署に寄せられるようになった。このため、 市は川沿いの特別景観地区指定を機に、煙やにおいを一掃することにした。
山中健市長は「においと煙は、街の美観を損ねる。〈芦屋ブランド〉を守るため、早急に対策を取りたい」と話している。
(2010年9月9日16時10分 読売新聞)
バーベキュー客らによる大量のゴミ投棄や夜中まで続く騒音への苦情が増えているとして、 川崎市は1日から多摩川河川敷の一部の利用を有料化する社会実験をスタートさせた。
迷惑行為を減らす一方、徴収した利用料をゴミ回収費などに充てるのが狙いだ。最初の週末となった4日、 河川敷には朝から多くの利用者が訪れたが、有料化の評価は分かれた。
市多摩川施策推進課によると、有料化されるのは同市高津区と東京・世田谷区を結ぶ二子橋近くの約4ヘクタールの河川敷。 利用時間は午前6時〜午後6時で、小学生以上から1人500円を徴収する。夜間利用や打ち上げ花火、 音響機器の持ち込みは一切禁止だ。
市は河川敷の一角に受付を設置。4日は午前8時過ぎから酒や食べ物の袋を持った利用客が次々に訪れ、 入場券代わりのリストバンドを受け取った。
友人と2人でバーベキューに訪れた世田谷区の看護師上田皓平さん(26)は「料金が高い。 迷惑行為は減るかもしれないが、マナーを守っている人は来づらくなる」。一方、会社の同僚と来た同区の会社員田中優佳子さん (35)は「ゴミが散らかるのは問題。やむを得ない」と前向きに評価した。
同河川敷には毎年、行楽シーズンに約10万人が訪れるが、近年、利用客のゴミ放置や騒音などが目立つようになった。 市のゴミ置き場には年間約100トンのゴミが捨てられ、09年度は処分に約730万円の市税を投じた。市民から 「市税で処理するのはおかしい」といった批判も多数寄せられていた。
騒音も深刻で、深夜に花火を打ち上げる非常識な利用者もいるという。
社会実験は1か月間を予定。市は、実験結果を踏まえて有料化の継続の是非を判断する考えだ。
(2010年9月4日12時12分 読売新聞)
川崎市の場合には、先日の花火大会でも、有料席を設けるなど、色々と議論にもなりました。それは、市の財政が危機的状況にあるからだということですが、その場合、河川敷など本来はお金を取れなそうな所から、取るというのは良い考えだと思います。しかも、行う側も、堂々と出来るでしょうし、一石二鳥です。
なるほど、財政的問題への手当でもあるのですか。
橋下知事が真似しそうです(^^;
大阪でも有料化が検討されるかもしれませんね。