先日、京田辺市で9月の国内最高気温 39.9度が観測されましたが、アメダスに夏草が絡みついていたことがわかり、 観測値へ影響があったのではないかと言われています。
測定機器の維持管理がうまく行っていないと言うことですが、大学の調査によると、 同じように観測値に影響があると思われる例が他にもあることがわかったそうです。
国内にあるアメダス観測所は約1300ヶ所。京田辺市「だけ」が管理がいい加減ということはないでしょうから、 当たり前の結果ですね。京田辺市の例は氷山の一角でしかないでしょう。
さて、大学の調査結果によると、100ヶ所以上調査して数十ヶ所に観測値に影響がありそう、ということなので、 率にして20〜30%ぐらいの観測所のデータに不適切な誤差が含まれる、といった状態なのでしょうか?
観測値に誤差が含まれるのは仕方がないことですが、30%程度の割合が大きいとするか、小さいとするか。 日々の天気予報のために使う精度しては十分でも、経年で記録する統計データとしては精度不足かもしれません。
日常の維持管理をもっとキチンとすべき、というのは正論ですが、コストの関係から無人化が進み、 人員削減で人手不足ということなら致し方無い面もあるのかもしれません(高コスト体質がいけない、 ということもあるでしょうが)。
現状、管理の手が回らないなら、観測所の数を少なくしてもっとしっかりと管理ができるようにし、 より精度の高いデータを得る、という方向もアリかもしれませんね。
昨日の台風9号の影響による大雨で、神奈川県の某所が周辺地域に比べ、非常に突出した降水量を記録していましたが、 もしかするとこの観測値も、京田辺市のケースのような、何かの影響が含まれているのかも、とふと思いました。
YOMIURI ONLINE
京田辺だけじゃない!各地に草だらけのアメダス
9月の国内最高気温(39・9度)を観測した京都府京田辺市の地域気象観測システム(アメダス) に草が巻き付いていたのと同じように、環境の悪化した観測施設が各地にあることが、 東北大名誉教授の近藤純正(じゅんせい)さん(76)(気象学)らの調査でわかった。
公務員削減で測候所の無人化が進んでおり、管理の強化を求める声が強まりそうだ。
近藤さんらは、約5年前から全国100か所以上のアメダスや無人測候所を訪ね、環境を調査した。その結果、 植物の繁茂など、観測に影響するとみられる例が数十か所あったという。
昨年6月に調査した埼玉県内のアメダスでは、雨量計が草で覆われていた。熊谷地方気象台は「定期的に草刈りしており、 データに問題はない」とするが、雨量計は受水口から入る降水を0・5ミリごとに測る仕組みで、雨粒が葉にはじかれる恐れがある。 岡山県の無人測候所では、約40年間に年平均風速が33%減少し、年平均気温は周辺より0・4度上昇したが、 この間に周辺の桜並木が風速計の高さ(約12メートル)まで成長、風を妨げた可能性がある。
(2010年9月9日14時34分 読売新聞)