東京の都立高校でおよそ1ヶ月間、プールに大量の水を給水し続け、 1ヶ月の水道代が510万円にもなってしまったそうです。
体育の先生が給水バルブを開いたときにメーターをチェックせず、大量の給水に気づかず、 さらにバルブを閉めずに出しっぱなしだったため、このような事態になってしまったとのこと。
一言で言えば「不注意」が原因ですが、複数の人が関わっていればもっと早く状況に気づいたかもしれず、 これほどまでに水道代がかさまずに済んだかもしれません。
人間ですからミスも起きるというものの、複数の人による注意・チェックが事故防止に効果的、 という好例ではないでしょうか。
設計の仕事も同じようなもので、セルフチェックは当然としても、 第三者によるチェック(クロスチェックと呼ばれることが多いですが)は、設計ミス対策としては有効。
クロスチェックでミスを指摘されるということは、事故や大損害が発生する前に対策できた、 ということで幸運なことですが、これに責任論が連動してくると途端に厄介なことになります。
あまりにも大量のミスや設計内容が根本から覆るようなミスは論外としても、チェックの主眼がミスを「責める」 ことにあれば、チェックされた側はただただ責任回避のために設計ミスを認めず、そして欠陥構造物を作ってしまい・・・ という状況になってしまいます。
ミスを繰り返さない、という観点からは責任論と分離して考えることも必要ですが、 現実にはなかなか難しいところもあります。
YOMIURI ONLINE
プールの水1か月出しっぱなし、510万円無駄
東京都教育委員会は6日、都立練馬高校(練馬区)で約1か月間、プールに水を大量に出し続け、 計約6600立方メートル、総額約510万円分の水道代を無駄にしたと発表した。
4人家族家庭の約20年の使用量に相当し、都教委は教諭らの処分を検討している。
発表によると、今年7月20日、同校保健体育科の男性教諭(47)が、プールの水質検査を行った外部の薬剤師から 「藻が発生する恐れがある」との指摘を受け、水温を下げようとプールの横にある給水バルブを開いた。
これまでも少量の給水を続けて水を入れ替えることはあったが、この教諭はバルブを開いた際、 近くにある水道メーターをチェックしなかったため、毎分約130リットルという大量の水が出ていることに気付かなかった。 翌日以降も水が出しっ放しの状態が続き、8月23日に都水道局の検針を受けて発覚。 止めるまでに1日当たり最大約200立方メートルの水が出ていたという。
(2010年9月7日09時12分 読売新聞)
とりあえず、関わっていた人全員が、その職責に応じて分担するべきですかね。誰かが責任を取らねばなりません。
バルブを開けた教諭と、校長なり教頭なりが管理責任といったところでしょうか。
個人で賠償となると分割払いが現実的?(出来るのかどうか知りません)