9月2日のことらしいですが、デンマークで一人乗りのロケット試作機が打ち上げられるそうです。 ダミー人形を載せたテストを繰り返して、安全であれば、有人で打ち上げるとのこと。
NASAの元技術者らがいる民間団体が開発し、ハードウェアの技術は手堅いものだそうです。 成功する可能性は高そうですね。
このロケットは「人間ひとりを宇宙に連れて行くだけ」という斬新なコンセプト。全長10m・直径約0.6mで、 元記事に写真がありますが、先端は透明カバーで人は立ったまま、顔が見える状態で搭乗する、というシンプルなものだそうです。
これで上空約130kmの宇宙空間へ達し、その後はパラシュートで海に着水して帰還するとのこと。
人間魚雷、人間大砲、あるいはウィンタースポーツの「スケルトン」をイメージさせるロケットですね。
とても面白いアイデアだと思いますので、テストが無事に済んで是非有人飛行を果たして欲しいですが、 これは宇宙空間へのバンジージャンプというか、乗り込むには相当の勇気がいるのではないでしょうか(汗)。
でも、このコンセプトは面白い(^^)
asahi.com
衝撃的に素朴な1人乗りロケット試作機、打ち上げへ
2010年8月30日15時0分
ミサイルのような1人乗り有人ロケットの試作機が、9月2日にもデンマーク沖のバルト海で打ち上げられる。 今回は人形を載せた高度30キロのテスト飛行だが、高度100キロを超える飛行能力を持つ。数回のテストを重ね、 安全性が確認できれば有人で打ち上げる。成功すれば、宇宙に独自に人を送った国として、旧ソ連や米国、中国に続き、 デンマークが4カ国目になる。
米航空宇宙局(NASA)の元技術者らの民間団体が開発した。小型ロケット「HEAT―1X」で、宇宙船「ティコ・ ブラーエ」を打ち上げる。船名は16〜17世紀の同国の天文学者からとった。
全長は約10メートル、直径約60センチ。飛行士は先端の透明なカバーに顔をのぞかせるようにして立って乗る。 個人の寄付5万ユーロ(約600万円)や地元企業からの提供を受け、ボランティアで製造された。 1千人以上の出資者のほとんどはデンマーク人だが、日本人の名前もある。
固体燃料と液体酸素のハイブリッドエンジンで、人間を上空約130キロまで持ち上げる。数分間の無重力が体験でき、 地球も丸く見える高度だ。帰還は、パラシュートで海に着水する。
民間ロケットに詳しい米宇宙関連財団職員の大貫美鈴さんによると、作ったのは愛好家集団のような団体で、 数年前に国際会議で発表され、「人間1人を宇宙に連れて行くだけ」という最小限のコンセプトが衝撃を与えた。技術的には手堅く、 エンジンの燃焼試験にも成功。打ち上げは、米国の宇宙業界関係者も注目しているという。
民間の有人宇宙飛行は、英航空会社が出資するヴァージン・ギャラクティック社(米国)の宇宙船「スペースシップ1」 が成功。さらに、複数の企業や団体が「宇宙旅行」を目指して開発している。
宇宙航空研究開発機構の的川泰宣名誉教授は「素朴な発想で面白い。 人が耐えられる加速や衝撃以下にエンジンと姿勢を制御できるかがカギ。でも、本当に人を乗せる勇気があるかなあ」と話した。 (東山正宜)
なるほど、これは楽しみな取り組みですね。
しかし、何故これを、他の「ロケット先進国」が出来なかったのかが気になります。
それにしましても、ティコ・ブラーエはデンマーク人だったんですね。
他のロケット先進国では、「宇宙に行って戻るだけ」しかも「人間1人だけ」という点で実現しなかったのではないでしょうか。
科学的研究成果や、商業利用による利益には結びつきにくいでしょうから。
>ティコ・ブラーエはデンマーク人だったんですね。
名前は何となく聞いた記憶があった程度の人物でしたが、調べたら膨大な量の観測を行った天文学者だったのですね。
かの有名なケプラーの師匠だったとは、知りませんでした。