日本では扱いがあまり大きくない気がしますが、メキシコ湾の海底油田掘削施設で爆発事故があり、既に10日あまりの間、 海底から原油の流出が続いているとのことです。
今のところ、原油の流出を止める有効な手だてもなく、史上最悪の海洋汚染事故になる可能性も出てきているとのこと。
オバマ大統領が現地に入るなど、合衆国としても手を打っていくようですが、 アメリカ政府も事態の重大さに気づくまでに時間がかかったようです。
流出する原油がもったいないと言えばもったいないわけですが、生態系への影響の方がより重要で緊急度の高い問題です。
事態の収拾への目途が立っていないようですが、非常に広範囲に原油が漂着したり、 海底を覆ってしまうといった状況になると、生態系に相当なダメージを与える可能性があります。
生態系へのダメージが大きければ漁業にも影響が出るのは必至ですし、 場合によっては食糧問題にまで広がるかもしれません。
とりあえずはアメリカの対処を見守っているしかないわけですが、海底1500mで起きていることあって、 人間の手による原油流出の停止は難しい気もします。人間ができることは、自然、 というか地球の持つ力に対してあまりにも小さい気がして。
自然に流出の勢いが衰えて、やがて止まるのを待つか、あるいは拡散していかないようにある範囲に押さえ込んでいくか・・ ・・・・?
YOMIURI ONLINE
原油流出、最悪の海洋汚染にも…米大統領現場へ
【ニューオーリンズ(米ルイジアナ州)=山田哲朗】 米南部ルイジアナ州沖のメキシコ湾で起きた原油掘削施設爆発による海洋汚染が拡大し続けている。
海底からの原油流出はなお止まっていない。 過去最悪の海洋汚染事故とされる1989年のアラスカ沖タンカー座礁を上回る深刻な事態になるとの見方も出始めており、 オバマ米大統領は2日午前(日本時間3日未明)、現地視察に向かった。
爆発事故は4月20日、英石油大手BPが運営する石油掘削施設で起き、11人が行方不明となった。当初、 海面に浮いた油は、施設に残存していた分と見られていた。しかし、原油流出が続いていることが判明、事故の際、 油井を自動遮断する仕組みが作動しなかったとの見方が強まった。
現在の流出量は1日当たり800キロ・リットル以上、これまでの累計は6000キロ・リットル以上と見られる。 対策本部を指揮する米沿岸警備隊のサッド・アレン司令官は1日の記者会見で、 「漏えい場所は海底1500メートルのため正確な流出量は把握できない」と述べ、 海に流れ出す油の量がさらに膨れあがる可能性も認めた。
アラスカ沖のタンカー事故での原油流出量は、4万2000キロ・リットルだった。今回は、 積載量が限られるタンカーと違い、最終的な流出量の予測がつかない状況になっている。
BPなどは、無人潜水艦で原油が噴き出す場所を封じたり、 横から別の穴を掘って原油の圧力を下げたりする方策を検討している。
海面を漂う油の一部は、4月29日にルイジアナ州に漂着、風向きによっては、数日以内に、ミシシッピ、 アラバマ州などにも流れ着き、漁業に打撃を与える恐れが強まっている。 この3州にフロリダ州を加えた計4州がこれまでに非常事態を宣言。各州政府は、油を囲むフェンスを海上に設置するなど、 大量の原油漂着に警戒を強めている。
ルイジアナ州沿岸などには、自然豊かな湿地が広がり、専門家の間では、 繁殖期を迎えた水鳥などの生態系に与える影響も懸念されている。
事態の深刻さに気づいた政府は29日、ナポリターノ国土安全保障長官ら閣僚3人の現地派遣をようやく決定、 オバマ大統領も「国家的な重要問題」と位置づけた。大統領は2日に現地入りし、ルイジアナ州の海岸を空から視察し、 政府として対策に全力を挙げる姿勢を表明する予定だ。
同州一帯が2005年のハリケーン「カトリーナ」の直撃を受けた際、 当時のブッシュ政権は対策が後手に回ってしまったため、支持率が急落した。オバマ大統領は今回の現地入りで、 批判の高まりを封じたい考えだ。
(2010年5月3日00時46分 読売新聞)
確かに、報道の扱いは小さかったですね。でも、重大な事象であることには間違いないようです。
> 積載量が限られるタンカーと違い、最終的な流出量の予測がつかない状況になっている。
これが、掘削施設事故の恐怖ですね。
合衆国政府が、この事故が重大な事態であることに気付いたのは最近のようです。
これから大きく取り上げられることになるのかも知れません。まあ、あと2日ほどは道路渋滞情報の扱いの方が大きいと思われますが。
>これが、掘削施設事故の恐怖ですね。
先が見えないので、どれぐらいの範囲にいつまで影響があるのか予測が非常に難しいですね。