引用した産経ニュースの記事は、大学教授らの調査によると、 今の子供たちが桃太郎や浦島太郎といった日本の昔話を知らない傾向が高まってきた、というものです。
桃太郎と一緒に鬼退治に行ったのは?→アンパンマン、という珍答もあったらしいです。
私も今どきの子供の親のひとりです。ウチの子供がもっと小さかったときには、確かに日本の昔話の絵本を読んだり、 あるいは話して聞かせたりしましたが、そんな機会は、自分の子供時代と比べると少なかった気がします。なぜだろう。
それでも、桃太郎やさるかに合戦、おむすびころりんといった話は、 子供たちが気に入って何度も読み聞かせをした覚えがあります。
私が子供の頃は、昔話や童話といえば、日本のものがほとんどだった気がしますが、 今はグリムとかイソップとかアンデルセンとか、欧米由来の話に触れる機会が多くなっていると思います。
本よりはテレビ・DVD、という傾向ですから、ディズニーなんかを子供たちに見せていると、 自然とそういう傾向になってしまう、ということなんでしょうね。そういう環境の中では、日本発だと昔話よりも「アンパンマン」 が出てくるのはうなずけます。小さい子供たちにはとてもウケますから。
「まんが日本昔話」が健在であったら、多少は状況が変わっていたかも知れません。
こういう調査結果を見ると、日本に生きる親として、日本の昔話はもっと大事にしておけば良かったかな、 とちょっと後ろめたく思ってしまいますね。
産経ニュース
「桃太郎のお供は?」「アンパンマン!」 昔話知らない子供たち
2010.4.24 18:35
桃太郎の鬼退治にお供したのは犬、猿、おばあさん!? 桃太郎や浦島太郎といった有名な童話や昔話を子供たちが知らない傾向にあることが、 大学教授らのグループが行った調査で分かった。人気アニメキャラクターが昔話に登場すると考える子供もいた。背景には、 親がこうした物語の絵本を子供に与えないという近年の事情もあるようだ。
筑波大学大学院の徳田克己教授(子供支援学)らのグループが平成2年から10年ごとに、子供と21の童話・ 昔話とのかかわりを調査。3回目の今年は東京都や愛知県などの幼稚園児259人を対象に、 親を通じて自由回答による聞き取りで実施した。
調査結果によると、桃太郎が鬼退治のときに腰につけた物について、2年の調査では3歳児の76%、5、6歳児の91% が「きびだんご」と正解。しかし、20年後の今回はそれぞれ22%、51%と低下。誤答にはパン、ケーキ、 シチューといった洋食も挙がった。
桃太郎と一緒に鬼退治に行った「犬、猿、雉(きじ)」の理解は、20年間で3歳児は49%から22%、5、 6歳児で89%から50%にそれぞれ下がった。おばあさんやキツツキなどのほか、アニメキャラクターの「アンパンマン」と “珍答”もあったという。
「浦島太郎は誰の背中に乗って行ったか」については、3歳児で理解していたのは62%から30%へ低下。犬、猿、 桃太郎などの誤答のほか、ここでもアンパンマンが登場した。
徳田教授によると、訪問先の幼稚園などでは近年、 アニメキャラクターが昔話や童話に登場するとの誤解を持つ子供が多いという。 「物語をキャラクターでアレンジした人形劇などのイベントや、絵本の影響ではないか。アレンジを否定はしないが、 子供たちが原作をきちんと理解してからでないと、誤解して育ってしまう」と憂慮する。
絵本の所有率は、桃太郎が最も高かった。ただ、初回の調査では兄姉のいない5、6歳児の97%が持っていたが、 今回は55%とほぼ半減。ほかの絵本の所有率も、浦島太郎94→38%▽さるかに合戦94→37%▽舌切りすずめ85→20% ▽花さかじいさん88→29%−など軒並み激減。親がこうした昔話の絵本を与えない傾向が分かった。
親が絵本を読んだり話したりした経験も、桃太郎97→73%▽浦島太郎97→55%▽かぐや姫90→32%− などと低下した。
徳田教授は「親も物語をよく知らなくなってきている。日本の昔話には年寄りをいたわる、 うそをつかないなどの道徳が自然に身に付くものが多く、大切にしてほしい」と話している
今回の調査は5月3日の絵本学会で発表される。(草下健夫)
もし、アンパンマンが鬼ヶ島に行くのなら、桃太郎不要のような気もします。といいますか、浅越ゴエさんのニュースのように、鬼ヶ島までジャムおじさん出張し、それで経営圧迫して倒産しないかどうかが心配になります・・・
アンパンマンは強いですが、窮地に陥ることが結構あるので桃太郎は必要なんじゃないかと思います。
ジャムおじさんは、何せ生命を持ったパンを生み出す技術の持ち主ですから、ただのパン屋ではありません。
パン屋というのは世を忍ぶ仮の姿かもしれませんよ。
収入に困ることもないんじゃないでしょうか・・・・(^^;