厚生労働省の「成年者縦断調査」で、夫の家事・育児時間や、妻の勤務先の育児休業制度の有無が、 子供の出産に影響している、ということなのですが・・・
記事だけでは判断ができないところもあるのですが、導かれている結論がどうも恣意的な感じがしますね。特に、 夫の家事・育児時間と出産の相関が。
育児休業については、働いている奥さんに限れば、調査のような傾向になるのはまあわかりますし、
男性の結婚に関して、正社員とパートで差があるのも、経済力の差ということで理解はできます。
しかし、夫の家事・育児時間については、子供が生れたから増えたとか、話が逆なんじゃないかと思えるところがありますね。
元の調査結果を見れば、また違った印象なのかも知れませんが。
この調査結果を少子化対策の基礎データにしたいそうですが、 それよりも昔のベビーブームの頃の社会状況と現在を比べてみるとか、ベビーブームの起きた要因はなんだったのか、とか、 そういう研究の方が、少子化対策への道を開いてくれるような気がします。
YOMIURI ONLINE
夫が休日家事・育児すると…子ども生まれやすい
夫が家事や育児に充てる時間の長さや、妻の勤務先の育児休業制度の有無が、 子どもの出産に影響していることなどが、 厚生労働省がまとめた「成年者縦断調査」で明らかになった。
この調査は、子育て世代の意識を調べるもので、 2002年に20〜34歳だった人を毎年追跡し、結婚、出産、就業についての意識などを聞いている。 今回は04年の第3回調査分で対象者は約2万人。
それによると、「子どもが欲しい」と考えていた夫婦のうち、夫の休日の家事・育児時間が増えた場合、 30・4%がこの1年間に子どもが誕生。逆に減った場合は20・2%にとどまっていた。
職場に育児休業制度がある既婚女性のうち14・3%が出産していたのに対し、制度がないと5・2% にとどまり、格差がくっきりと浮かび上がっている。
また、子どもが「3人ほしい」と思っていた夫婦の約3割が、2番目の子どもが生まれた後に、 「2人でいい」と思い直していることもわかった。
一方、正規採用で仕事をしている男性は、この2年間に10・5%が結婚していたのに対し、パート、 派遣など非正規の仕事の男性で結婚したのは3・3%にとどまった。
(2006年3月9日16時9分 読売新聞)
asahi.com
妻の職場に育休制度あると、出産率約3倍 厚労省調査
2006年03月09日07時47分
妻の職場に育児休業制度があるかどうかで、夫婦に子どもが生まれる率に3倍近い格差があることが8日、 厚生労働省が発表した「21世紀成年者縦断調査」でわかった。また、夫の育児参加が多いほど、 子どもが生まれていることも明らかになった。同省は「育休制度の有無による差が明確になった」として、 少子化対策には制度の整備などが重要とみている。
この調査は、02年10月末現在20〜34歳だった男女約3万8000人を追跡し、結婚や出産、 仕事などへの意識の変化を探り、少子化対策の基礎データとするのがねらい。3回目の今回は04年11月に実施、 約2万400人の回答を分析した。
前回03年調査時に妻が勤めていた夫婦のうち、妻の職場に育休制度がある夫婦では14.3% が過去1年間に子どもが生まれていたが、制度がない夫婦では5.2%だった。制度があっても、「利用しやすい雰囲気」 だと18.3%だったが、「利用しにくい雰囲気」だと9.8%だった。
制度がある場合、妻の74.2%は出産後も同じ職場で仕事を続けているのに対し、ない場合は27.6% だった。
また02年調査時に「子どもが欲しい」と答えた夫婦のうち、その後、夫の休日の家事・ 育児時間が増えた夫婦は過去1年間で30.4%に子どもが生まれていたが、減った夫婦は20.2%だった。 特に第2子はそれぞれ22.0%と12.4%で、 夫の育児参加の度合いが第2子を産むかどうかに大きくかかわっていることがわかった。