2010年03月17日

本意を知っていたのか、どうか

 有名な日本画家・東山魁夷氏らの偽作を制作し、詐欺事件を助けたとして起訴されていた男性が、 無罪判決を受けたそうです。偽作を本物と偽って詐欺を図った古物商はすでに実刑判決を受けています。

 

 偽作の制作にあたり、詐欺に使われるのか(本物と偽られるのか)ということをわかっていたのかどうか? ということが争点だったようですね。わかっていれば詐欺の手助け、そうでなければ、古物商に利用されていたと言えます。

 

 今回の判決は、男性は古物商に「本物としては売らない」と言われて、それを信じていたという主張だったようですが、 それが裁判で認められたということですね。

 確かに、男性の内心に関わることなので、認定するのはなかなか難しい気がしますが、客観的に認められるのであれば、 信用するに足るような事実があるとか・・・例えば古物商から偽作の制作分の費用しか受け取っていなかったとか、 そういう事実があるのですかね。

 もしくは、主張するときの態度が裁判官の心証に大きく影響している、といったことも考えられますかね。

 

 検察が控訴するかはわからないようですが、予想外の判決、というコメントからは無罪は受けいれられない、 と考えていそうです。

 

YOMIURI ONLINE
「本物としては売らぬ」信じた偽作制作者に無罪

 日本画家・東山魁夷らの偽作を制作し、詐欺事件の手助けをしたとして、 詐欺ほう助罪に問われた福井市のデザイン会社経営林敏明被告(65)に対する判決が16日、岡山地裁倉敷支部であった。

 篠原康治裁判官は「本物としては売らないと言われ、信じていたという被告の供述は合理性がある」などとして、無罪 (求刑・懲役2年)を言い渡した。

 林被告は、京都市南区の古物商の男(71)から依頼され、2007年秋頃から08年夏頃までに、東山魁夷の「緑響く」 など4点の偽作を制作して、男らが岡山県井原市の会社役員から約1億2000万円をだまし取る犯行を手助けしたとして逮捕、 起訴された。

 古物商の男は同支部で、詐欺罪で懲役4年6月の実刑判決を受けている。

 林被告の弁護人は「警察、検察の見込み捜査」と批判。地検の岩崎吉明次席検事は「予想外の判決。内容を精査し、 適切に対応したい」とコメントした。

(2010年3月17日16時06分  読売新聞)

 

posted by いさた at 20:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 思い事(気になる) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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