ここ数年で、「カマキリが高いところに卵を産むと大雪になる」とか「卵を産んだ高さまで雪が降る」 といった言い伝えがあると知りました。街中ではあまり見かけることが無い虫ですが、 ウチの近辺ではごくたまに卵や成虫を見かけるぐらいのことはあります。
新潟にはその言い伝えに興味を持って50年近くも積雪予測を続けられている方もおられるとか。その方の予想は、 おおよそ当たるのが6割ぐらいだそうです。純粋に天候予測の精度として考えたら高い方なのでしょうか? 気象庁の長期予報よりは当たるか、同程度ぐらいか?
もしかすると、カマキリは人間がまだ知らない何らかの方法で、結構な精度で積雪量を予測しているのかもしれませんね。 彼らにしてみれば生まれもっているごくありきたりな能力で、メカニズムを知らない人間だけが不思議がっているのかもしれません。
言い伝えと言うことは、長い間の経験則ということです。裏打ちとなるべき科学的根拠が何であるかは別として、 予測に役立つなら利用すれば良い、というのが工学的発想ですかね。根拠を追及するのが理学的立場でしょうか。
YOMIURI ONLINE
「高い所に卵産むと大雪」カマキリ予報的中
「カマキリが高い所に卵を産むと大雪になる」との言い伝えを基に、新潟県長岡市の電気通信会社役員酒井与喜夫さん (74)が、40年にわたって冬の積雪を予測している。
同県などの日本海側が、「暖冬、少雪」と予報されていた今冬も、年末から1月にかけての大雪を予知し、 昨秋冊子にまとめていた。昆虫の専門家は「言い伝えに科学的根拠はない」とみるが、酒井さんの予測はよく当たるため、 「カマキリ博士」と評判になっている。
新潟地方気象台によると、この冬の最深積雪量は、魚沼市入広瀬で275センチ、上越市安塚246センチ、 新潟市81センチ。酒井さんの予想は、それぞれ267センチ、228センチ、33〜48センチだった。 酒井さんが積雪の予測を始めたのは、会社を興した1963年(昭和38年)。この年は「三八豪雪」と呼ばれる大雪で、 自社で扱うテレビアンテナが雪の重みで壊れるなどの被害が多発し、雪への備えの必要性を痛感したという。
その際、頭に浮かんだのが、子どもの頃から聞かされていた、カマキリの卵と降雪に関する言い伝え。 数多くの卵を調べれば、予測が可能になるのではないかと考え、独自調査を始めた。
調査は、県内を中心に多い年は280か所、2800個以上に。卵の観察から、「カマキリは、卵を産み付ける木を通じて、 地球の水分量の変化を察知しているのでは」と思い立ち、地中から木に伝わる振動を自作の低周波測定器で調べた。以来、 そのデータが積雪予測の基になっている。
酒井さんはこれらのデータを約25年前から冊子にまとめ、会社の取引先などに配布している。 この冬の約250か所の積雪予想について、「ピタリ3割、誤差数%が3割、外れが3割くらい」と話す。過去25シーズンも、 平均するとほぼ今冬と同程度の精度で予知してきたという。
一方、昆虫の専門家は、「言い伝えは偶然にすぎない」との見方で、京都大農学部の藤崎憲治教授(昆虫生態学)は、 「卵は雪に埋もれても死滅することはなく、むしろ孵化(ふか)率は増す」としている。
(2010年3月16日15時44分 読売新聞)
で、蟷螂は何故大雪が降るというのに低い所に卵を産むんでしょう。その逆に雪に埋まりたくないから高い所にというのなら納得なんですけどねぇ。
確か、その年の積雪量ぐらい、それよりも少し高いところに卵を産みつける傾向だったように思います。
あまり高いのも問題があるのかもしれませんね、鳥に見つかりやすいとか・・・
昆虫学者の言う、雪に埋もれた方が孵化率が高いというのもよくわかりませんが、何なのでしょうね。