子供の虐待事件は後を絶ちませんが、奈良で起きた事件は、5歳児にわずかな食事しか与えず、 結果的に餓死させたというもの。
保護された時の体重は6.2kgと1歳児以下、身長も2歳児以下と衝撃的・・・・ 慢性的に栄養が足りない状態だったのでしょうか。一体いつから虐待されていたのでしょうか。
母親は子供が父親に似ていて憎たらしいから虐待した、父親は虐待を知りながらも放置していたようです。 どうしようもない親はどうなろうと知ったことではありませんが、子供に何の罪があるというのでしょうか。
もっと早く、周囲なり行政なりが気づいていれば、こんな最悪の事態にはならなかったのかもしれません。 いつも言われることですが、「早く気づいて対策する」というのは難しいのですかね・・・・
「赤ちゃんポスト」が議論になりましたが、こんな結末になるのなら、 ポストに預けられる方がまだマシなのかもしれません。
YOMIURI ONLINE
奈良5歳児餓死…2か月朝食だけ、体重1歳児以下
保護された時の体重は6・2キロ、1歳児以下しかなく、身長も2歳児並みだった――。
奈良県桜井市で起きた虐待死事件で亡くなった吉田智樹ちゃん(5)は2か月もわずかな朝食しか与えられず、 衰弱しきっていたという。両親で、保護責任者遺棄致死容疑で3日に逮捕された吉田博(35)、真朱(まみ)(26)両容疑者は、 近所付き合いもなく、生活実態は県や市も把握できていなかった。周囲は異変に気付くことができなかったのか。なぜ、 虐待や育児放棄は繰り返されるのか。
県中央こども家庭相談センターの岸岡靖郎所長らが、この日午後10時20分から県庁で記者会見し、 「桜井市やセンターにもう少し早く連絡をしてもらえれば、こんなことにはならず、防げたかもしれない」と無念さをあらわにした。
岸岡所長は、真朱容疑者が午前11時頃から約1時間の間に繰り返し、智樹ちゃんの様子を伝えてきたことを明らかにし、 「最初は泣きながら『子どもを虐待している』と言ってすぐに切れた」と話した。センターへの相談は、 この日が初めてだったという。
2回目の電話は15分後にあり、真朱容疑者は「やせており、風邪で寝ている。意識はある」と話したという。その際、 名前と住所、携帯電話の番号を告げたため、センターは桜井市に対し、家を訪ねるよう連絡したが、岸岡所長は「この時点で (重篤という)判断ができず、どうしようもなかった」と振り返った。
3回目の電話で、智樹ちゃんが衰弱している様子を把握し、センターはこの時初めて緊急事態と判断。 センターの広岡幸夫主幹は「部屋に入った桜井市の職員2人は、一目見て状況が悪いという印象を受け、絶句した、と話していた」 と声を詰まらせた。
「(長男に)愛情がわかなかった」と話した両容疑者。住んでいたのは2階建てアパートの2階の一室。 1Kの間取りの約20平方メートルに4人で暮らしていた。近所の人の話によると、周囲との付き合いはほとんどなかったという。
同じ階に住む会社員男性(40)は「1年ぐらい前から、ほぼ1日おきに夜の10〜11時頃、 しかられて泣くような子どもの声が聞こえていた。虐待があったとは知らなかった」と言い、1階に住む男性(33)は「泣き声や、 何かを床に落とすような音が聞こえていたが、最近になって聞こえなくなったので引っ越ししたと思っていた」と話した。
(2010年3月4日09時21分 読売新聞)
奈良県桜井市で吉田智樹ちゃん(5)が餓死した事件で、 保護責任者遺棄致死容疑で逮捕された母親のパート店員真朱(まみ)容疑者(26)が、県警の調べに対して、「夫婦仲が悪く、 (智樹ちゃんが)夫に似ているのが憎らしくて虐待してしまった」と、動機について供述していることがわかった。
一方、父親の会社員博容疑者(35)が「食事を与えていないことは知っていたが、見て見ぬふりをしていた」 と話していることも判明。県警は、夫婦の不仲が虐待の背景にあるとみて、追及する。
捜査関係者によると、真朱容疑者は、今年1月初め頃から智樹ちゃんに朝に1回、わずかな食事や水を与えるだけで、 この1週間、智樹ちゃんはまったく食事をとっていなかった。
博容疑者は虐待に積極的に関与していないものの、食事を与えるなどはしなかったという。
(2010年3月4日14時41分 読売新聞)
普通に子育てしていれば、祖父母や親類が気にしてくれて、それなりに助力を戴きながらのものになると思うのですが、タコツボのようにはまってしまったのでしょうか。ご指摘の様に、行政の対応も甘いですし、ただただ亡くなったお子さんが気の毒です。
亡くなった子が可哀想で、切ない事件です。
親族との関係など、それぞれに事情がありますから何とも言えませんが、他者との関係性やコミュニティとの関わりといったことの重要性を感じますね。