サントリーとキリンの経営統合話は、結局物別れに終わったとのこと。
同族経営のサントリーと三菱財閥が起源にあるキリン、両者の経営に対する考え方の違いによるもののようです。 経営統合後に、創業者一族がある程度株を持って影響力を残しておきたいというサントリー側と、 突出した大株主の存在を嫌うキリンの間で意見があわなかった、ということらしいですね。
サントリーとキリン、どちらの経営方針が良いともわかりません。ただし、世界規模でやっていこうとすれば、 統合して規模を大きくする方がメリットがあったが、その機会を逸した、ということになるでしょうか。
相容れないほど方針が異なるのに、無理に統合してもうまくいかないでしょうから、仕方のない結果ということでしょうね。 今後は、別会社との統合話が出てくるのかもしれません。
asahi.com
キリンとサントリーの統合交渉が決裂、統合比率などで溝が埋まらず
2010年2月8日12時54分
[東京 8日 ロイター] キリンホールディングス<2503.T>とサントリーホールディングス (大阪市)は8日、両社の経営統合交渉を終了したと発表した。昨年7月に始まった経営統合交渉は、決裂という結果に終わった。
キリンは「統合新会社は経営の独立性・透明性が十分に担保されるべきと考えていたが、 この点でサントリーとの間で認識に相違があった」としている。一方、サントリーは「統合比率をはじめ、 キリン社との間に認識の相違があり、当社が追い求めている新会社の実現は難しいと判断した」と述べている。
サントリーは、創業一族の資産管理会社である「寿不動産」が約89%のサントリー株を保有。統合比率次第では、 新会社の経営方針に単独で拒否権を持てる3分の1超の株式を保有する可能性があり、 両社間で統合比率をめぐる交渉が長期化していた。
午後1時半からキリンの加藤壹康社長が記者会見する。
(ロイター日本語ニュース 清水 律子記者)
2010年2月8日19時5分
サントリーホールディングス(HD)とキリンホールディングスが経営統合を断念することになった。 サントリーHDは大阪で1899年の創業から一貫して株式を上場せず、同族経営を維持。一方、 キリンHDは三菱財閥をルーツに持つ上場企業で、経営態勢に対する考え方の違いが交渉を難しくしたとみられる。
サントリーHDの佐治信忠社長、鳥井信吾副社長は創業者・鳥井信治郎氏の孫にあたる。 HD株の9割は創業家一族の資産管理会社「寿不動産」が握る。
オーナー経営は、短期的な利益に引きずられることなく、10年、 20年と時間がかかるウイスキー造りでは利点があったとされる。さらに、 ビール事業が08年に初めて黒字を達成したのは参入から実に46年目。息の長い取り組みと、鳥井信治郎氏の「やってみなはれ」 の言葉に象徴される、進取の精神が持ち味だった。
サントリー社内には「一定割合の創業家の持ち株比率が必要だ」という声が根強く、交渉でも、 経営の重要事項について拒否権を持つ3分の1を巡って激しいやり取りが交わされた。しかし、 飛び抜けた大株主の存在を嫌ったキリン側と、安定株主の必要性を訴えたサントリーとの溝が埋まらなかった。
大阪の財界関係者からは、もともと統合には難しい側面があったとの声が出ている。 大阪国際会議場社長で関西経済同友会の常任幹事を務める萩尾千里氏は8日、「キリンはスマートな集団、組織が持ち味。 サントリーとはよってたつところ、姿勢が違う。 両社には将来の海外展開など論理的な経営の問題だけでは片づけられない側面があった。 (サントリーが関西企業として引き続き存在感を残すという意味で経営統合断念は)関西経済界にとってはよかった面もある」 と受け止める。
(田中美保、永島学)
サントリーに対し、複雑な想いを抱く我々東北人としては、統合してしまうと、サッポロくらいしか飲めなくなってしまうので、統合に失敗してかえって良かったように思っています。
そういえば、以前サントリーが起こした舌禍事件を貴ブログにて読ませていただきました。
裏返して、例えばサッポロにしてみれば躍進の機会を逃した、ということかもしれませんね。
国内で大メーカーと言っても世界的には通用しませんし・・・速く世界に負けない力をつけて欲しいと思います。
双方とも、気が抜けてしまったのかも・・・
経営統合は「やってみなはれ」だったのかもしれません。熟成させていたら機を逃すかも知れませんし。
世界に通用するためには、やはりスケールメリットが必要ですかね。