暴行事件を起こした、といろいろと騒がれていた横綱・朝青龍ですが、相撲協会の理事会から事情聴取を受けた後、 事件の責任をとって引退したそうです。
当初、暴行の被害者はマネージャということでしたが、後に別の知人男性と発覚。その後、 被害者には金を払って示談になったとか、真相が良くわからない事件ではありました。
これだけでなく以前にもいろいろと問題を起こしているし、一般庶民に「横綱の品格」なるものに興味を抱かせるなど、 いろいろと世間を騒がせていた朝青龍。
今回で引導を渡された、ということなんでしょうが、自分から引退という幕引きの仕方は最後の情け的で、 日本的幕切れのように思います。ただ、横綱としては引責と言うよりも、騒ぎに嫌気が差してもう止めた、 という感じがしないでもありません。
現在29歳。優勝回数や戦績を見れば、「強い」力士であったことは間違いありません。横綱の引退後、 大相撲はどう変わるのでしょうかね。
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朝青龍、引退を表明 高砂親方が協会に引退届提出
2010年2月4日15時29分
大相撲の横綱朝青龍関(29)=本名ドルゴルスレン・ダグワドルジ、モンゴル・ウランバートル市出身、 高砂部屋=が泥酔して知人男性に暴行したとされる問題で、朝青龍関は4日、日本相撲協会の理事会から事情聴取を受けた後、 「引退しました。お世話になりました」と話し、引退を表明した。師匠の高砂親方(元大関朝潮)は協会に引退届を提出した。 横綱が不祥事をきっかけに現役を退くのは、1949年に休場中に野球観戦をした前田山や、 87年12月に失跡騒ぎを起こした双羽黒の例がある。
問題は初場所中の1月16日早朝に東京都内の路上で発生し、22日発売の週刊誌で発覚。師匠の高砂親方(元大関朝潮) は当初、報道陣に「暴行した相手は、朝青龍の個人マネジャーだ」と説明。朝青龍関とともに日本相撲協会の武蔵川理事長 (元横綱三重ノ海)に謝罪し、厳重注意された。しかし、実際の相手は、角界関係者でない横綱の知人男性と発覚。 協会は1日に調査委を発足させ、朝青龍関の個人マネジャーと運転手から事情を聴いた。調査委委員長の友綱親方(元関脇魁輝)は 「(2人の聴取内容から)暴行の事実は確認できなかった」としたが、 この日の理事会で朝青龍関本人と高砂親方が呼ばれ事情聴取されていた。
朝青龍関は、大鵬(32度)、千代の富士(31度)に次ぎ歴代3位の25度の幕内優勝回数を誇るが、 トラブルも絶えなかった。今回の問題のほかにも、 07年には巡業の休場届を出しながらモンゴルでサッカーをした問題で2場所連続の出場停止処分に。また、 場所直前にゴルフに興じるなど度々厳重注意を受け、勝負がついた後のだめ押しも多く「横綱の品格」が問題視されてきた。
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朝青龍明徳(あさしょうりゅう・あきのり) 高知・明徳義塾高校を経て、99年初場所に初土俵を踏み、 00年秋場所に新十両、01年初場所で新入幕。 2度目の幕内優勝を果たした03年初場所後には年6場所制となった58年以降では最速(幕下付け出しを除く) の所要25場所で横綱に昇進し、貴時代後の角界を引っ張ってきた。
左四つからの速攻を得意とし、05年にはともに史上初となる年6場所完全制覇と7場所連続優勝を成し遂げた。 横綱在位場所数は歴代8位の42場所。初場所千秋楽までの幕内成績は、596勝153敗76休(55場所)、 通算成績は669勝173敗76休(67場所)。殊勲賞3回、敢闘賞3回、金星1個。184センチ、154キロ、29歳。
2010年2月4日17時20分
引退を決めた横綱・朝青龍と、師匠の高砂親方の一問一答は次の通り。
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高砂 大変お世話になり、ありがとうざいました。本日をもちまして横綱朝青龍が引退を表明いたしました。
朝青龍 えー、本日をもって皆様方に大変ご迷惑をかけ、また日本相撲協会にも大変ご迷惑をかけ、報道陣にもねえ、 大変騒がしい、そういう意味で私は責任をもって引退をしました。
――今日の引退への経緯
高砂 経緯といいましても、いろいろある中で、どう推移していくのかみながら今日にいたった。 本人とも話しをさせてもらって最後の最後にまあ引退の気持ちがあることを、理事会に報告させて頂いた。
――引退は頭にあった?
高砂 どっかにありました。
――横綱との話し合いのなかで?
高砂 やはりさっきも本人が言った通り、相撲協会というものに対して、ファンのみなさんに対して、 朝青龍が気持ちのなかでいろいろ葛藤(かっとう)があったと思うけど、本人の口から引退します、 と言ったのは私はよかったと思う。
――横綱いまの心境?
朝青龍 そうですね、まあ、何にも考えてはいません。はい。もう。
――引退を決心したのいつ?
朝青龍 師匠と話し合いをして、引退ということを考えました。
――どういう話し合い?
朝青龍 思い深いし、横綱の責任を感じて、みなさまがたに大変ご迷惑をおかけしたことに対して、心のなかで思います。
――理事会でどういう説明?
高砂 まあその、事件の話とか質問されたけど、本人は覚えてるのと覚えていない部分があるんで、 答えられるのは答えられるし。
理事の方は事実関係を聞こうとするのだけど、本人がすべて覚えているわけじゃないから、難しいところあった。 すべてのことにおいてメディアの方が先に先に話しが先行して、こちらがあとをおっかけて。 いろんな資料を提出していくことしかできない状況だった。だから、事件がどうのこうのというのあるかもしれませんが、 本人としてはそういう気持ちじゃなくて、横綱として迷惑をかけたということが一番大きな引き金になって引退というものに進んだ。 それは私も同じです。そういう流れのなかで引退となった感じがします。
――きょう来る前、もしかして引退という気持ちあった?
朝青龍 正直、この騒ぎ、精神状態がどうなるんだと思っていたけれど、メディアで流れてることと、 実際起こしたことはかなり大きな格差あったんで、最後まで様子みましょうという気持ちで待っておりました。最後はやっぱり、 そういう意味できょうは引退ということを考えた。