鳩山首相が衆議院で施政方針演説。「いのちを守りたい」というように「いのち!」が連呼された演説でした。具体的方針ではなく、多分に理念を訴えた、という感じでしょうか。
こうも「命!」と連呼されると、TIM(この名前はネット検索して思い出したぞ)が人文字をしている姿を思い浮かべたり、ガンジーの発言から引いたという「労働無き富」なんて自虐ギャグか?と思いながらニュースを聞いていました。
この機会に「道徳無き政治」は止める、ぐらいまで言及しても良かったのかもしれませんが、影総理の目の前では言えないみたいです。
さて、具体的な話はあまり無かったのですが、私が少し引っかかったのは、「事業仕分け第2弾」と「新しい公共」。
事業仕分け第2弾は、確か仕分けはもうやらない、と言っていたような気がしますが、方向転換ですかね。予算審議の過程が公開されるのは良いとしても、また「世界で2番云々」といったことを聞かねばならないのなら、あまり期待は持てないでしょう。
民主党の、民主党による、民主党のための仕分け?
新しい公共は、NPOや市民運動家などに追い風を吹かせるような感じがしましたが、どことなく、私がいる業界に影響が及んでくるのでは、という直感がありました。
鳩山首相が、まちづくりでNPOが活躍している、と分野名を上げて言及したのがどことなく気になりました。良いことも悪いことも含め、何かちょっと変わったことが起きてきそうに思います。
公共事業を減額して社会保障や文教を増額した予算が、首相の言う「いのちを守る予算」。この業界は、首相の方針とはあわないもののようです。
逆風の予感、ですね。
asahi.com
首相施政方針演説、テーマは「いのち」 資金問題おわび
2010年1月29日13時21分
鳩山由紀夫首相は29日午後、衆参両院の本会議で施政方針演説を行った。持論の「友愛社会」実現に向け、市民やNPOに活動の場を提供する「新しい公共」に道筋をつける考えを前面に掲げる理念先行型の内容だ。自らの政治資金問題について「国民に多大の迷惑と心配をおかけしたことをおわびする」と述べ、改めて謝罪した。
首相は演説のテーマを「いのち」と位置づけた。2010年度予算案は公共事業費を削って社会保障費や文教科学費を増額したとして「『いのちを守る予算』に転換した」と主張した。
「目指すべき日本」の項目では、インド独立の父、マハトマ・ガンジーの「七つの社会的大罪」を引用し、「労働なき富」や「道徳なき商業」などを制御していくとした。
「これまで『官』が独占してきた領域を『公』に開く」として、「新しい公共」実現に向け、NPOなどが活動しやすい環境整備のため寄付税制の拡充などを検討すると表明。今年5月をめどに具体的な提言をまとめる方針を明らかにした。
「地域主権の確立」では「ひも付き補助金の一括交付金化や出先機関の抜本的な改革などを含めた地域主権戦略大綱を策定する」と表明。夏以降に抜本的な省庁再編に取り組むことも表明した。議員定数削減や歳費見直しなどにも踏み込むとし、「改革を行う上でまず国会議員が範を垂れる必要がある」と指摘した。ただ、企業・団体献金については「開かれた議論を行っていく」として、全面禁止の方針は示さなかった。
経済財政政策では、「景気の二番底に陥らせない」として過去最大規模の当初予算を組んだことに理解を求めた。デフレ克服に向け「日銀と一体になって」経済政策を進める方針を打ち出した。一方、財政再建に向けた具体策は示さず、今年前半に「財政健全化に向けた長く大きな道筋を示す」とするにとどめた。
外交では、東アジア共同体について、「揺るぎない日米同盟」が構想実現の前提条件だとの認識を強調。今年、日米安保条約改定50周年を迎えたのを機に「重層的な同盟関係」を目指す考えを示した。また、沖縄の普天間飛行場の具体的移設先を5月末までに決める方針を表明した。
YOMIURI ONLINE
デフレ克服、日銀と協調…首相施政方針演説
鳩山首相は29日午後の衆院本会議で、就任後初めての施政方針演説を行った。
演説では、景気を「二番底」に陥らせないため、「いのちを守る予算」と名付けた2010年度予算案を早期に成立させ、28日に成立した09年度第2次補正予算と合わせて切れ目ない景気対策を実行する方針を掲げた。
同時に、デフレ克服に向け、日本銀行との政策協調を進める考えも示した。沖縄県の米軍普天間飛行場移設については、5月末までに移設先を決め、最終決着させる決意を表明した。
首相は、自らの資金管理団体を巡る偽装献金事件について、「国民の皆さまに多大のご迷惑とご心配をおかけした」と改めて陳謝した。そのうえで、「政治とカネ」の問題への対応策として、「企業・団体献金の取り扱いを含め、開かれた議論を行う」と述べ、政治資金規正法改正などに関する議論を始める意向を示した。民主党の小沢幹事長の資金管理団体の土地購入を巡る政治資金規正法違反事件には言及しなかった。
また、官僚依存から政治主導への転換を図るため、昨年10月の所信表明演説で宣言した「戦後行政の大掃除」に関し、税金の無駄遣いを洗い出すために昨年行った「事業仕分け」の第2弾を実施して特別会計の整理統合を進める意向を示した。
さらに、各省庁の副大臣や政務官の増員などを柱とする「政治主導確立法案」を今国会に提出するほか、夏の参院選後には中央省庁の抜本的な再編に取り組む考えを表明した。
経済政策では、「人間の幸福を実現するための経済をつくり上げるのがこの内閣の使命だ」と述べ、行き過ぎた市場原理主義の転換を宣言した。経済成長に向け、世界最高水準の環境技術を活用した「グリーン・イノベーション」や医療・介護技術の研究・開発を中心とした「ライフ・イノベーション」を促進し、雇用の創出にもつなげる方針を打ち出した。
外交では、首相が提唱する「東アジア共同体」構想の実現に向けた具体策として、07年から米軍が中心に実施している人道支援活動「パシフィック・パートナーシップ」に、今年から海上自衛隊の輸送艦を派遣し、太平洋・東南アジア地域で医療支援や人材交流を行うとした。同時に、共同体形成は、「揺るぎない日米同盟が前提条件だ」とし、米側への配慮を示した。
首相は29日夕に参院本会議でも演説する。
(2010年1月29日14時08分 読売新聞)
今年の参院選挙では民主が大敗、といっても大勝するのは誰なのか思いつかないです。
ヤクザにするかマフィアにするかなんていう選挙は去年でもう沢山。
民主党政権への評価は、夏頃にはどうなっているのでしょうね。
直近の出来事が大きく影響しそうですね。
今考えると、確かに「票を入れたい」と思うところはありません。