横浜や神戸など大都市の港では、 きらびやかな夜景に港内の灯台の光がまぎれて目立たないという悩みを長年抱えているそうです。そんな問題解決のため、 「フリッカ灯台」という方式の運用方法が横浜で実験されることになったとのこと。
「フリッカ灯台」というのは、例えば切れかけた蛍光灯の光がチラチラして気になる、という点を逆用して、 灯台の光をわざとちらつかせて目立たせよう、という方法だそうです。灯台の光源にも、LEDが普及してきており、 LEDの使用により素早い明滅が可能になったというのも興味深い点です。
あまりにちらつくと不快なだけなので、その辺は実験室で調整していて、さらに今回の実験であたりをとるのでしょう。 光の明滅による人体への影響というのも気になるところですが、それも検証するのでしょうか。
このフリッカ方式は逆転の発想で面白いですね。しかも、目立たせるためにより明るくするわけではないので、 省エネ効果も期待でき、うまく行けば一石二鳥。
今回の実験がうまく行けば、灯台以外にも応用ができるかもしれません。 道路でも注意喚起に照明が点滅するような標識がありますが、より効果を高められるかもしれません。また、 人目を引くという事からすれば、広告にも応用できそうです。
ただ、フリッカ方式がそこらにあふれると不快な夜景になってしまいそうなので、やりすぎはダメですね。
YOMIURI ONLINE
夜景より目立つ?ちらつく灯台、横浜で実験
切れかけた蛍光灯のちらつく光を、人が不快に感じることを逆手に取って、灯台の明かりを目立たせようという実験が、 22日から1か月余りにわたって横浜・大黒ふ頭で行われる。
横浜港だけでなく、神戸など大都市の港では、街の光に紛れて灯台の明かりが埋もれてしまう悩みを抱えてきたが、 「ちらつく光は、人の目をひきやすい」という逆転の発想で目立たせる試み。灯台を管理する海上保安庁では、 実用化のメドがつけば、同ふ頭のほか、別の灯台でも取り入れる方針だ。
“ちらつく光”の正式名称は「フリッカ灯火」。英語でちらつくを意味する「フリッカー」から取った。同庁の研究機関 「海上保安試験研究センター」が2006年度から開発を始め、 大都市の港が数多くある日本ならではの研究として国際的に注目を集め、 デンマークやフランスでも実験室レベルで研究が始まっているという。
通常の灯台は4秒に1回の割合で、光が0・4秒間点灯しているが、フリッカ灯火は、0・4秒間点灯し続けるかわりに0・ 1秒の点灯を4回繰り返すことで、光をちらつかせて目立たせる。点灯と消灯を素早く繰り返せる発光ダイオード(LED) を使うことで実現した。
ただ、光がちらつきすぎると“不快さ”だけが際立ち実用面で問題が出てくる。このため、開発段階では、 航海士の経験がある海保職員らがちらつく光を見て、「煩わしい」と感じる人がなるべく少なくなるようなレベルに光量を調節した。
灯台の光源は、白熱電球から省エネ効果の高いLEDへの切り替えが進んでおり、現在、灯台やブイの65% ほどがLEDになっている。フリッカ灯火では、同じ電力でより目立つ効果を狙っている。明るくするための電力が必要でないため、 省エネ効果も期待されている。
灯台には、犬吠埼や観音崎といった、遠洋を航海してきた船が陸地を確認するための大型灯台のほか、 港内に入った船を停泊場所まで誘導する小型灯台などがある。街の明かりに紛れてしまう問題が起きやすいのは、 港内にある小型灯台。今回の実験は2月1日まで、横浜・大黒ふ頭の灯台の1基を使って行うが、このほか横浜港には、 同種の高さ約8メートル規模の灯台は2基ある。
同庁によると、灯台の光を目立たせる研究は1970年ごろからスタートした。77年には横浜・本牧ふ頭で、 灯台の塔そのものを光で照らす方式が登場。その後も、二つの灯台を同じタイミングで点灯させるなど、試行錯誤を続けてきたが、 決定打とはならなかった。
実験後は、船舶関係者を対象にアンケート調査を実施。実用化のメドがつけば、国内外の船舶に周知するため、 海図に書き入れる予定だ。
(2009年12月21日16時04分 読売新聞)
ここでもLEDなんですね。
まだLEDの普及の臨界点とは言えないと思いますが、
ブレークスルーは近いですね。
灯台や信号については、周囲の光源の規制も必要ですね。
LED電球が発売されているし(まだ高いですが)、クルマのランプへの採用など、身近なところにもLEDが増えてきています。
着実にLEDを利用する機器は増えているので、普及するのはそう遠くない感じがしますね。