2009年10月15日

まいど1号 運用終了

 東大阪の町工場の職人集団が作り上げた人工衛星「まいど1号」。今年の1月に打ち上げに成功し「夢は実現するんや」と勇気を与えてくれた衛星でしたが、本日運用が終了となったとのこと。

 雷の観測などを行いましたが、運用終了後も軌道を動き続け、数十年後には大気圏に突入して燃え尽きることになるそうです。働き終わって「お疲れ様」ですが、まだ長い余生が残っているみたいですね。

 

 運用終了は、不景気で管理費が出ないためやむなし、というニュースを以前見ましたが、残念ながらその通りになってしまったようです。しかし、この経験が宇宙に関わる機器の開発活動や、ものづくりへの関心への高まりといったことに良い影響を及ぼしているとのこと。

 

 開発計画を初めて聞いた頃は、本当にそんなことができるのだろうか、と半信半疑に聞いていました。

 しかし、やがて計画は実行され、打ち上げに成功。さらには、まいど2号につながるやも知れぬ意欲や、もっと広範の「ものづくり」への夢を見せてくれたところは、誇れる功績だと思います。

 

 何も東大阪に限らず、今後の日本のものづくりに、まいど1号の精神と夢が受け継がれていくと良いですね。

 

(関連記事)
まいど1号 打上げ成功

 

YOMIURI ONLINE
さいなら、東大阪生まれ「まいど1号」運用終了

 東大阪宇宙開発協同組合(大阪府東大阪市)の雷観測衛星「まいど1号」が15日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)との管制委託の期限切れを迎えた。

 すでに電源は落ちている。「不景気に苦しむ中小企業に元気と自信を」と、開発された衛星は、町の気分をもり立て、若い研究者の夢を育てて9か月間の運用を終えた。数十年後には大気圏に突入して燃え尽きる。

 太陽センサーの実験に取り組む大阪府立大(堺市中区)の学生らは10日未明、アマチュア無線管制室でパソコンに向かい、まいど1号から届く最後のデータを見つめていた。受信できるエリアを過ぎると、「ピガー、ピガー」という受信音が聞こえなくなった。

 リーダーの大学院1年の藤本卓也さん(23)は、「もっといろんな実験をしたかった」と、ちょっとしんみりした顔を見せ、設計段階から参加した大久保博志教授(61)は「学生でも小型衛星を製作できることを証明した」と話す。

 「貴重な経験を次に生かしたい」と、藤本さんら学生は、同組合の加盟企業などが設立したNPO法人「関西宇宙イニシアティブ」の新たな人工衛星「KaSpI(カスピ)―1」の開発にかかわり、より小さい地球観測衛星の設計にも取り組んでいる。

 大久保教授が責任者を務める同大学小型宇宙機システム研究センターの手伝いを希望する学生が、今年は例年の3倍に増えたという。

 まいど1号にあこがれ、東大阪市に来た人も。東京でエンジニアの派遣会社に勤めていた小畑昇一さん(27)ら若手4人は、今年6月、「宇宙開発合同会社(AstreX)」(東大阪市)を設立。金星探査衛星の、バッテリーボックスの開発などを行っている。小畑さんは「まいど1号を通じて、研究者や技術者、中小企業のネットワークができたのは大きい」という。

 同市内で自動車部品メーカーを経営する中西英二さん(65)は「異業種交流会などで府外の人と会うたびにまいど1号の話になった。わしも頑張ろ、という気にさせてもろた」と感謝した。

 同組合の今村博昭理事(66)は「ものづくりの精神が広がっていることがうれしい」と話した。

(2009年10月15日17時58分  読売新聞)

 

posted by いさた at 22:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事(なにわ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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