予算の「ムダ」カットに奔走する民主党政権ですが、今年度中に配る予定だった「子育て応援特別手当」の支給を凍結することにしたそうです。
この特別手当は、3〜5歳の子供1名につき年額36000円を支給すると言うもので、前政権の置き土産みたいなものですね。例の定額給付金と同時期に一度配られましたが、今度は凍結・・・「凍結」という表現ですが、再開の可能性はあるのでしょうか。「中止」なのでは?
民主党はマニフェストに書いている政策を実現するため、予算の見直しをしていますが、この凍結は民主党の言う「子ども手当」の財源の一部になるのでしょう。言ってみれば「メンツのための支給先送り」に当たるのではないでしょうか。
どうも、来年度予算の概算要求は、今年度予算を超える額が出てくるようです。マニフェストにある政策の予算を確保し、その他の予算を切り詰めた結果がこれ、ということです。
予算カットはこれからも検討するらしいですが、公務員の人件費や閣僚・議員の報酬カットには踏み込まないのでしょうか。今のところそう言う話は聞きませんね。
どうも政策自体に無理があると思えますし、さらには不景気による税収減やガソリン暫定税率廃止による税収減など、歳入が減る状況でもあります。
こんな中、首相は首相で、財源不足対策に赤字国債の発行を匂わせているのでは、たちの悪い「バラマキ」政策でしかないでしょう。分かっていたことですが。
とにかくマニフェスト実現ばかりに躍起になっていても仕方がありません。もうちょっと現実を見つめ、懐具合にあわせて、優先度が高い政策に絞り込んで実現するような柔軟性を持って欲しいと思います。
だいたい、子ども手当や高校無償化など、赤字国債の上に成り立たせていては、子供たちに借金を背負わせる制度を作ったことになってしまいますよ。
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「子育て応援特別手当」も支給らしい
YOMIURI ONLINE
「子育て手当」凍結、補正見直し1100億上積み
長妻厚生労働相は14日、2009年度補正予算の見直しで「子育て応援特別手当」の支給を凍結し、更に1100億円程度を上積みすることを正式決定した。
長妻厚労相が14日、仙谷行政刷新相と協議し、補正予算に盛り込まれた1254億円のうち、地方自治体の事務費などを除いた約1100億円を凍結することで合意した。政府は補正予算見直しで約3兆円の財源確保を目指し、そのうち厚労省は9日時点で5213億円の凍結を決めている。
長妻厚労相は、当初、支給業務を受け持つ地方自治体で混乱を招くとの理由で、凍結には慎重だった。支給を想定し、国庫から支払われる給付金を予算計上した自治体もあったからだ。
しかし、民主党が野党時代に「何の哲学もないバラマキ」(当時の鳩山幹事長)と同手当を批判していたことなどから凍結に転じた。
長妻厚労相は14日の記者会見で「国民、地方に深くおわび申し上げる」と陳謝。凍結により工面した財源を来年度から始める「子ども手当」に充てることで理解を求めた。
与党時代に同手当の導入を強く主張していた公明党の山口代表は14日、「国民の期待感は大きい。これを無視する、裏切ることは政権としておかしい」と批判した。
同手当は、3〜5歳の子ども1人あたりに3万6000円を支給する制度。08年度までは第2子以降が対象だったが、09年度は緊急経済対策の一環として第1子まで広げた。対象者は約330万人で、年末にも支給が始まる予定だった。
(2009年10月14日20時54分 読売新聞)