先日の2016年五輪開催地決定では、リオデジャネイロが南米初の開催を決め、東京が敗れました。そして、その次の2020年五輪開催地に、今度は広島・長崎が立候補する動きがあるようです。
被爆した都市として、平和を世界にアピールする、という狙いのようです。「核兵器無き世界」を訴えるオバマ大統領のノーベル平和賞受賞も、後押しになっているかも。
被爆地という背景のもとに「平和」を訴えれば、オリンピックの精神にも願ったりかなったり、共感というか、なかなか反発しにくい状況になることは確かだと思います。
asahi.comの記事ではオリンピックは原則1都市開催であるとか、制度面の困難を書いたりしていますが、それよりも現実問題、招致アピールの仕方によっては、核保有国の参加が難しくなるのではないか?という気もします。
2020年に核兵器問題がどうなっているかは不明で、ある意味オバマ大統領の働きにかかっている部分もあるものの、現在の核保有国の多くは、スポーツの有力選手保有国でもあります。
そう言った国々が、言わば政治的な事情により参加辞退とでもなれば、モスクワオリンピックのような状況にもなりかねない。平和をアピールといっても、その仕方や内容など、戦略的に考える必要がある知れません。
また、南アフリカがどうするのか、ということも気になります。来年のW杯で成功を収め、その実績を持って2020年の開催地に立候補したら、かなり有力な候補地になりそうです。
アフリカ初、かつもし開催されれば文字通り五大陸全てで開催されたことになるので、これまたオリンピックを象徴すると言えそうです。「初物」なら、平和云々とバッティングすること無く、選択理由にも出来るでしょうし。
JOCは広島・長崎の立候補について、今のところ静観しているそうですが内心はどう考えているのか。東京の再立候補を望む声もあるようで、国内候補地としてどこが正式に決定されるかはまだわかりません。
2020年の開催地が決まるのは4年後の2013年。それまでには、この記事が単なる杞憂になるぐらい、様々に動きがあるでしょうね。
asahi.com
広島・長崎が20年夏季五輪招致へ 「平和」アピール
2009年10月10日23時10分
広島市と長崎市は、20年夏季五輪の開催都市に共同で立候補する方向で検討に入った。両市長が11日に発表する。第2次世界大戦で原爆を投下された両市が共催という形で立候補すれば、五輪憲章が掲げる「平和」の理念を世界にアピールできる。ただ、五輪は「1都市開催」が原則で、立候補へのハードルは低くない。
両市関係者らによると、五輪開催は秋葉忠利広島市長が提案し、田上富久長崎市長も了承した。今月2日の国際オリンピック委員会(IOC)総会で16年夏季五輪の開催地がリオデジャネイロ(ブラジル)に決まり、東京が落選したことから、20年五輪の開催地が決まる13年IOC総会に向け、実現の可能性を探ることにしたという。
被爆した両市が主導する国際NGO「平和市長会議」は20年までの核兵器廃絶を目標に掲げており、五輪招致で核廃絶の機運を盛り上げる狙いもあるという。秋葉市長は昨年9月、広島市の広報紙で「核廃絶の目標達成を五輪という世界的な祭典で祝いたい」と表明していた。
日本オリンピック委員会(JOC)幹部によると、「記者会見の予定を打診されたのは数日前。まだ、検討の段階と聞いている」という。
五輪憲章は原則として1都市での開催を義務づけており、「共催」での立候補は異例。ただ、IOC理事会の承認を経れば、一部競技を他都市で開くことは認められている。64年東京五輪では馬術競技を軽井沢で開催した例がある。
近年の夏季五輪は世界的に首都級の大都市が争う傾向が定着し、招致費用も膨らんでいる。都市基盤やホテルの客室数、五輪後の競技会場の活用法や交通網などを考えると、地方都市の立候補はハンディを抱える。
一方で、16年五輪招致に東京が失敗した原因の一つに、08年北京五輪から8年後という間隔の短さを指摘する声はIOC委員にも多かった。夏季五輪は12年大会が欧州のロンドン、16年が米大陸のリオデジャネイロの開催で、20年はアジアにもチャンスがあるという見方はある。
JOCは2日のIOC総会で東京都が落選した直後ということもあり、20年五輪招致の国内候補都市をどうするかの検討には入っていない。しかし、総会直後に福田富昭JOC副会長が「東京に再挑戦してもらいたい」と明言するなど、東京の再挑戦を願う声は根強い。
20年五輪の開催都市は、13年のIOC総会で決まる。過去の例では、日本の国内候補都市の選考は総会の約3年前に絞り込むケースが多く、今後は東京都を含めた他都市の動向が注目される。20年五輪にはローマ市長が立候補を表明しており、パリやモスクワなどにも立候補の動きがある。
まぁ、最近の私は、自然壊して経済効果や平和を叫ぶことへの違和感が心の中で大きくなりつつあります。頭悪いので直感で考えてしまうので。
>自然壊して経済効果や平和を叫ぶことへの違和感
五輪や万博など、言われるような問題・矛盾を持っていますね。
環境についてあまり気にしていない時代ならそれでも良かったのですが、最近はそうも言っていられないですし。
広島と長崎は、政治的・思想的色彩が濃くなるのはちとマズイのではないか、と思っています。