前原国土交通大臣が、ダム事業の一時凍結を行う方針を表明したそうです。
現在日本で143ヶ所のダム事業が進められていて、国や水資源機構が直轄で行うのが56、自治体が行うものが87あり、 そのうち直轄のものは、既存ダムの機能向上を行っている8事業を除く48事業を凍結するとのこと。
基本的にダム事業は凍結ですね。「中止」でなく「凍結」ですが、現在のムダカット、ムダカットの流れの中では、 復活は難しいでしょう。
八ッ場ダムの建設中止、これは既定路線として押し通されると思っていますが、これに伴って地元への補償問題が議論され、 実際に補償が行われることになるのでしょう。
他の凍結されたダム事業からも同じような話が出てくるでしょうから、八ッ場ダムが一つのモデルケースとなって、 補償金の支払いなどが行われる可能性があります。そのような出費が伴えば、ますます復活の芽は無くなるでしょうね。
自治体が行うものについては、知事の判断を尊重するということですが、 補助金の支出に関してはストップするつもりもあるようです。そうなると、いくら判断を尊重するといっても、 費用がついてこなければ断念せざるを得ないでしょうから・・・・まあ、国にならえ、という意思表示ではないでしょうか。
時代は変わっていく、ということのようです。
YOMIURI ONLINE
48ダム一時凍結、次段階工事に進まず…国交相
前原国土交通相は9日、国や水資源機構が実施している56のダム事業のうち、 既存施設の機能向上を行っている8事業を除いた48事業について、新たな工事手続きには入らず、 事業を一時凍結する方針を明らかにした。
ダム工事は〈1〉用地買収〈2〉生活再建工事〈3〉転流工工事〈4〉本体工事――の各段階を経て完了するが、 48事業は今年度内に新たな段階に進まない。道府県が実施している87のダム事業については、各知事の判断を尊重するという。
現在、全国で進めているダム事業は、前原国交相が建設中止を既に明言している八ッ場(やんば)ダム(群馬県) と川辺川ダム(熊本県)のほか、計141か所あり、前原国交相はこれらについても無駄な事業かどうか、自らと副大臣、 政務官で見直していくと表明していた。
その見直し作業の結果、中部地方整備局が行う「横山ダム再開発」、近畿局の「天ヶ瀬ダム再開発」など8事業を除く、 48事業を一時凍結すると判断した。
一方、自治体が主体となって事業を行い、国が補助金を出す87のダム事業について、国交省は「知事の判断を尊重する」 と述べ、国のほうから凍結は求めない方針を示した。しかし、補助金の拠出については、「我々で判断。知事と相談する」と語り、 補助金停止についても含みをもたせた。
◆凍結されるダム事業◆
【建設中】〈北海道開発局〉幾春別川総合開発、夕張シューパロ、沙流川総合開発、サンル、留萌〈東北地整〉津軽、胆沢、 森吉山、成瀬、長井〈関東地整〉湯西川、霞ヶ浦導水、八ッ場〈北陸地整〉利賀〈中部地整〉新丸山、設楽〈近畿地整〉足羽川、 大戸川、大滝、紀の川大堰〈中国地整〉殿、尾原、志津見〈四国地整〉中筋川総合開発、山鳥坂〈九州地整〉大分川、嘉瀬川、 川辺川、立野、本明川〈沖縄総合事務局〉沖縄東部河川総合開発、沖縄北西部河川総合開発〈水資源機構〉思川開発、川上、丹生、 小石原川、大山、木曽川水系連絡導水路、滝沢
【実施計画調査中】〈東北地整〉鳴瀬川総合開発、鳥海〈関東地整〉荒川上流ダム再開発、吾妻川上流総合開発、 利根川上流ダム群再編〈中部地整〉上矢作〈九州地整〉筑後川水系ダム群連携、城原川、七滝
(2009年10月9日12時59分 読売新聞)