山口県の光市母子殺害事件。荒唐無稽な主張で死刑逃れを試みた被告とその弁護団ですが、 その意に反して死刑判決が下されたのは去年の4月のこと。
現在、最高裁に上告中の被告ですが、その実名を明らかにしたルポの本が近く出版されるそうです。 早ければ明日からも店頭に並ぶようですが、この被告の実名掲載は了承されたものでない、 ということで出版差し止めの仮処分申請が行われたとのこと。
出版側は了承を得ている、元少年の弁護団は了承していない、と食い違っていて、こうした問題は、 本当のところは当事者間でしかわからないことがほとんどでしょうね。このケースでは、 被告の意志よりも弁護団の都合の方が優先している気もしますが。
ま、第三者的には了承を得たかどうかよりも、元少年の実名の方に興味が湧きますね。人権云々というよりも、 これだけ世間を騒がせた人間はどんなヤツなのか、という好奇心の方がはるかに勝ります。
もし、本が発売されたら・・・・・買うかどうかはまだ何とも言えませんが、とりあえず立ち読みぐらいはするかな。
2009.10.07 18:00 追記
THE INCIDENTS
こちらに、件の本が紹介されていますね。紹介文の中にしっかりと書かれている。
(関連記事)
[光市母子殺害] 差戻し審で弁護側の被告人質問(追記有り)
[光市母子殺害] 被告に死刑判決
asahi.com
光母子殺害事件 元少年実名本の出版差し止め申請
2009年10月6日15時2分
山口県光市で母子が殺害された事件をめぐり、当時18歳だった被告の元少年(28) =死刑判決を受けて上告中=を実名で表記したルポルタージュ本が近く出版されることになり、 元少年の弁護団のうち6人が出版の差し止めを求める仮処分を5日に広島地裁に申請した。弁護団の1人は 「元少年は実名掲載を了解していないと言っている。実名の出版物への掲載を禁じた少年法の趣旨に反し、出版は許されない」 と話している。
本は東京都日野市の「インシデンツ」が出版し、著者は一橋大学職員の増田美智子さん。 インシデンツのホームページなどによると、元少年と接見を重ね、周辺の関係者を取材した結果を盛り込み、 早ければ7日にも店頭に並ぶという。タイトルや本文で元少年の実名が明かされている。
本は240ページ。ホームページは「被告と同い年の著者が1年以上も面会と文通」「被告の両親や兄弟、友人、恩師、 弁護士ら総勢100人以上を取材」などと説明する。
インシデンツの寺沢有代表(42)は、元少年の弁護側と4日に広島県内で会い、「原稿を出版前に読ませなければ、 出版差し止めの仮処分を申請する」と伝えられたという。「もし申請されたのであれば、出版の自由、表現の自由を侵害するもので、 到底納得できない。著者は、本人と25回も面会し、実名を出すことを了解してもらっている。弁護団は出版直前になって 『本人が了解を撤回した』と言ってきたが、それは信じがたい」と話した。
事件は99年4月14日に発生。光市の自宅アパートで母親(当時23)と長女(同11カ月)が殺害された。
YOMIURI ONLINE
光母子殺害の実名本出版…元少年側が差し止め申請
山口県光市の母子殺害事件で死刑判決を受け、上告中の元少年(28)の実名が記載されたルポルタージュ本の出版に対し、 元少年側が広島地裁に出版差し止めの仮処分を申請したことがわかった。申請は5日付。
関係者によると、本のタイトルや本文中に元少年の実名が記載されており、元少年側は、本人が特定されることで、 少年法で守られるべき人権が侵害されるとしている。実名掲載について本人は同意していないという。
本には、元少年と同じ年齢の著者が1年以上、計25回にわたって、元少年と接見したり、文通したりした内容や、 家族ら関係者への取材結果が盛り込まれ、早ければ週内にも書店に並ぶ予定。
著者の増田美智子さんは、「元少年を一人の人間として描くためには実名報道が必要だと考えており、本人も了解していた。 弁護団はこれまでの取材申し込みに全く応じなかったのに、出版が決まったら原稿を見せるよう求めてきており、 仮処分の申請に対しては戦う」と話した。
少年法61条は、少年犯罪について、少年の氏名、年齢、職業、住所、 写真などで本人と推測できるような記事を出版物に掲載してはならない、と規定している。
法務省人権擁護局は、「本人側から人権侵害との訴えなどがあれば調査に乗りだすことになるが、現時点ではそれがなく、 まだ事実関係もはっきりしていない。当面は推移を見守りたい」と話している。
(2009年10月6日14時35分 読売新聞)